第12話 ページ12
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目の前の光景に言葉を失う。
息をするのも忘れるくらいに、どういう状況なのか飲み込めない。
そんな私を見てエレンは笑いながら、「よっ」と片手を上げる。
「…よっ」
とりあえず、エレンと同じような挨拶と片手を上げて一歩ずつ踏み出してみるが…
「何で…部長が?」
「何でって、たまには良いだろ。ね?リヴァイ部長」
「いや、待て…俺も聞きてぇ」
どうやらリヴァイ部長も知らずに来てしまったようだ。
いや、別に私達の間に"まだ"何もないんだけど。
部長的に絶対気まずいでしょ
そんな私達の顔色なんざ知らねぇとでも言ってそうな笑顔を見せたまま、エレンは「まぁいいじゃねぇか」と店の中へ入って行く。
「すみません、リヴァイ部長」
「いや、お前が謝る事じゃねぇだろ」
「でも気まずいですよね?」
「…まぁな」
「エレンにはきちんと伝えておきますので、お帰り頂いても大丈夫ですよ。何なら私が帰りますし…」
「…そうだな」
リヴァイ部長は少しだけ悩み、一つ大きなタメ息を吐いた。何なら私も帰りたいし、何ならエレンより部長と飲みたいんだけど…
ここは仕方ない。部長に迷惑掛けたくないし、ルアナにバレた時が面倒くさいわ
「せっかくだ。部下達の事を知る機会も大事にしねぇとな」
「え?」
「今回は世話になる」
「え、あ!ちょっとッ」
何か覚悟を決めたかのようにリヴァイ部長は暖簾をくぐって行った。
とりあえず、謎の面子で飲み会が開かれてしまう。
リヴァイ部長と飲めるのは嬉しいけど、清楚を心掛けないと!間違っても日本酒ばっか飲んじゃダメよ!今日は梅酒やカクテルで我慢しよ……
「リヴァイ部長とルアナってどっちから告ったんですか?」
「…向こうだ」
「へぇ、噂通り」
「エレン…噂とか本人前に言わない」
「問題ねぇよ、噂なんざ死ぬほど聞いてる。それに、お前らも噂の的だろ」
仰る通りでございます。
チラチラと向けられる視線も今は慣れたが、
最初の頃は鬱陶しいっちゃありゃしない。
私を見る暇があるのなら、勿論、各自のお仕事は済んでいらっしゃるんですよね?と一人一人胸ぐらを掴んで言ってやりたかった。なんて物騒な思い出しかない
エレンは最初から全く気にしていないみたいだけど…。
どこまでメンタル強いのよコイツは
「それで…お前らはどうなんだ?馴初めってやつは」
「あ、部長。聞いちゃいます?」
「何だ?聞かれちゃあ不味いのか」
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ああ - ハッピーエンドで終われて良かったです!面白かったです (10月7日 22時) (レス) @page50 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
みゆこ - リヴァイファンにはたまりません!!好きです!! (2022年7月31日 14時) (レス) @page50 id: 88bc64309a (このIDを非表示/違反報告)
美緒ちゃん(プロフ) - 完結ありがとうございました。ハピエンですね。良かったです。次は、甘々シーンを増やしていただけると嬉しい限りです。 (2022年7月18日 21時) (レス) @page50 id: 4f2d722dc2 (このIDを非表示/違反報告)
はてな(?)(プロフ) - 夢梨さん» 夢梨さん、コメントありがとうございます!更新遅くて申し訳ないです…。完結できるよう頑張ります。最後までお付き合いください🙇🏻♀️ (2022年4月19日 18時) (レス) @page47 id: 2bed4e8e7b (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - 書き直される前も書き直された後も面白いです!更新のたびに読んでいたら続きが気になりすぎるので、最近は更新話数をためてから一気に読むようにしています笑😅 完結まで頑張って下さい! (2022年3月28日 21時) (レス) @page46 id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はてな(?) | 作成日時:2021年5月30日 22時