病気:太宰side ページ6
森「体温は平熱に戻ったし、脈や呼吸も安定してきた。何時もの薬を投与しておいたから、今日はゆっくり休みなさい」
A「森
森「良いんだよ。太宰君、中也君。一寸来てくれるかい?」
太・中「・・・はい」
森さんに云われて、私と中也は治療室から出て、隣の部屋に入った
中に入ると、其処には姐さんの姿があった
尾「Aは?」
森「隣の部屋で安静にしているよ
君達に話しておくことがある」
森さんは姐さん、中也、私を見ると、再び口を開いた
森「太宰君、中也君。先程、Aちゃんが体を震わせるのを見たね?」
私と中也は静かに頷く
森「あれは彼女の病気の発作の1つだよ
そして、Aちゃんはその後どうした?」
中「噴水に・・・」
森「自ら飛び込んだんだね?」
私と中也は再び頷く
森「Aちゃんが此処に来る前に自宅兼神社で巫女をしていたと云ったね?その神社に祀られていたのは
その為、彼女は水を操る能力を持つ。水に触れて怪我や病気を治す事も可能なのだよ」
だからあの時、噴水に飛び込んだのか・・・
尾「Aの病気はどんなモノなのじゃ?」
森「・・・先天性葉酸吸収不全」
森さんの口から聞いたことの無い病名を告げられた
でも、先天性ということは、生れつきの病気なのだろう
森「ビタミンの1種である葉酸が吸収出来なくなる病気だ。これにより免疫力が低下し、ウィルスに感染しやすくなり、成長にも遅れが出る
発作として、貧血や
太「治療法は?」
森「フォリン酸という葉酸の1種を筋肉注射することで血中の葉酸濃度を高める治療法が試みられているが、この方法が有効的だという根本的な証明はされていない
けど、有効例は確かに出ているし、他に方法も無いので、今はこの治療法に掛けるしかない」
森さんがAちゃんの病気の説明を終えると、部屋の中に沈黙が訪れた
そんな重い病気の持主が闇社会の中枢とも云えるポートマフィアに属しているなんて聞いたら、言葉を失うのは当然だろう
森「だからAちゃんを戦場に出る機会の少ない下級構成員にしたのだよ
戦闘の際に倒れてしまっては困るからね」
中「首領は・・・」
それ迄黙っていた中也が口を開いた
中「マフィアに入れてまでAを治療するのは何故ですか?」
森「・・・その内判るよ」
中也の質問に、森さんはただ微笑むだけだった
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モネ(プロフ) - 私も続編見たいです!よければお願いします。 (2017年6月12日 0時) (レス) id: 57cb94f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
日ノ月 奏(プロフ) - 続編、見てみたいです。もしよければ、作って欲しいです! (2017年6月11日 21時) (レス) id: 38798ae39c (このIDを非表示/違反報告)
らいおん@蜜柑ニート - 続編見たいです!!出来れば作って頂きたい! (2017年2月19日 4時) (レス) id: 32d25253d2 (このIDを非表示/違反報告)
千夜(プロフ) - 僕も、続編出来れば作ってほしいです! (2017年1月7日 12時) (レス) id: fdb6de8cbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん(プロフ) - 面白いです!続編、出来れば作って欲しいです! (2016年12月26日 16時) (レス) id: 924108a693 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華吹紫亜 | 作成日時:2016年11月26日 14時