失った資格:織田side ページ26
喉が痛かった
呼吸が出来なかった
誰かの叫び声が遠くで聞こえた
余りに喉が激しく痛むので気が付いた
叫んでいるのは俺だった
「うわあああああぁぁぁ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「織田作!」「さく!」
洋食屋を出た所で知った声に呼び止められた
織「太宰、A。如何した」
太「織田作。君が何を考えているか判るよ」
A「でも止めて。そんな事しても「子供達は戻って来ない?」・・・・・」
Aは言葉に詰まったように沈黙した
太「これまでの戦闘の規模から、ミミックのおおよその残り兵力が判ってきた。20名強。まだ連中は余力を残している。そしておそらく、西の山岳地帯に本拠地がある。詳しくはこれから「連中の居場所なら判ってる」
織「招待状が来たからな」
俺は太宰とAに、先程見つけた地図を渡した。''幽霊の墓所''と書かれた地図だ
太「連中は兵力を1箇所に集めつつある。マフィアの全兵力を結集しても、破れるかどうか判らない」
織「結集する必要は無い」
太「聞くんだ。数時間前、森さんが秘密の会合に出席したらしい。相手は異能特務課。安吾を仲介役にした会合だ。気密度が高くてこれ以上は裏を取れなかったが、このミミックの1件にはまだ何か裏がある。それが判るまでは「何かなど無い」」
織「もう凡て終わった。後にあるのはどうでも良い事だ。俺がこれからしようとしている事も。そうだろう?」
太「織田作。私が何故マフィアに入ったか知ってる?」
俺とAは太宰を見た。長い付き合いだが、太宰はその話をしようとしなかった
太「何かあると期待したからだよ。暴力や死、本能に欲望、そういった剥き出しの人間に近いところに居れば、人間の本質をより近いところで見ることができる」
「そうすれば何か、生きる理由が見つかると思ったんだ」
織「俺は小説家になりたかった。任務でも人を殺せばその資格がなくなると思った。だから1人も殺さなかった。だが、それももう終わった。資格はなくなってしまった。今の望みは1つだけだ」
俺は歩き出そうと後ろを向いた。然し、俺の腕を小さな手が掴んだ
A「さく・・・」
腕を掴んだのはAだった。彼女の手は震えていた
織「・・・すまない」
俺はAの手を振り払ってそのまま歩き出した
「っ・・・さく!」「織田作!」
2人が俺を呼んだが、振り返らなかった
59人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モネ(プロフ) - 私も続編見たいです!よければお願いします。 (2017年6月12日 0時) (レス) id: 57cb94f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
日ノ月 奏(プロフ) - 続編、見てみたいです。もしよければ、作って欲しいです! (2017年6月11日 21時) (レス) id: 38798ae39c (このIDを非表示/違反報告)
らいおん@蜜柑ニート - 続編見たいです!!出来れば作って頂きたい! (2017年2月19日 4時) (レス) id: 32d25253d2 (このIDを非表示/違反報告)
千夜(プロフ) - 僕も、続編出来れば作ってほしいです! (2017年1月7日 12時) (レス) id: fdb6de8cbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん(プロフ) - 面白いです!続編、出来れば作って欲しいです! (2016年12月26日 16時) (レス) id: 924108a693 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:華吹紫亜 | 作成日時:2016年11月26日 14時