記念写真:織田side ページ22
※ここからは小説2巻・黒の時代から内容を抜粋させていただきます
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太「そうだ、写真を撮ろうよ。記念にさ」
何時もの酒場で何時もの3人で呑んでいると、唐突に太宰が明るい声で云った
織「何の記念だ?」
太「3人が此処に集まった記念。或いは安吾の出張完了祝いか、織田作の不発弾処理祝い。その他何でも」
A「あら、皆さんお揃いで」
酒場の入口の方から聞き慣れた少女の声がした。そこには、俺の同僚のAがいた
太「やぁ、Aちゃん。体調は?」
A「お陰様で」
Aが長い眠りから覚めて数ヶ月。Aはそれ迄と特に変わった事は無く仕事に戻っていた
変わった事と云えば・・・
太『嗚呼、Aちゃんが可愛過ぎる・・・
安吾、織田作、私はどうすればいい?』
太宰とAが恋仲となり、太宰が酒場で呑む度Aに悶えるようになった事くらいか・・・
織「A、こんな所に何の用だ?」
A「あ、そうだった。マスター、何時ものください」
Aがそう云うと、マスターはカウンターの奥から日本酒の瓶を十数本程Aに渡した
坂「え、巫女様、そんなに呑まれるのですか?」
A「安吾さん。私は未だ17歳ですよ?お酒が呑める訳無いでしょう」
太「18で酒場に来ている私の前でそれ云っちゃう?」
A「これは
太「Aちゃんは呑まないの?」
A「私はお酌係ですよ。お酒は呑みません」
A「そうだ。写真、撮るなら私がシャッターを切りましょうか?」
太「本当?Aちゃんが
坂「では、お願いします」
A「はい。じゃあ3人共、こちらを向いてください」
織「然し太宰。何故急に写真なんだ?」
太「今撮っておかないと、我々がこうやって集まったという真実を残す物が何も無くなる様な気がしたんだよ。何となくね」
A「はい、チーズ」
・・・太宰の云う通りになった。その日が、俺達の間にある目に見えない何か―失った後の空白によって存在を知ることができる何かを、写真に残す最後の機会だった
俺達がその酒場で写真を撮る機会は、2度と来なかった
写真に写った3人のうち1人が、その後間もなく死んだからだ
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モネ(プロフ) - 私も続編見たいです!よければお願いします。 (2017年6月12日 0時) (レス) id: 57cb94f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
日ノ月 奏(プロフ) - 続編、見てみたいです。もしよければ、作って欲しいです! (2017年6月11日 21時) (レス) id: 38798ae39c (このIDを非表示/違反報告)
らいおん@蜜柑ニート - 続編見たいです!!出来れば作って頂きたい! (2017年2月19日 4時) (レス) id: 32d25253d2 (このIDを非表示/違反報告)
千夜(プロフ) - 僕も、続編出来れば作ってほしいです! (2017年1月7日 12時) (レス) id: fdb6de8cbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん(プロフ) - 面白いです!続編、出来れば作って欲しいです! (2016年12月26日 16時) (レス) id: 924108a693 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華吹紫亜 | 作成日時:2016年11月26日 14時