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2回にわたる銃声がして、佐伯先輩と一緒に部屋へ向かった。
腹部を撃たれて出血が止まらない。このままでは……タヒんでしまう。
『先生っ、先生!目を開けてください!!』
綾辻先生の上半身を起こす。
「…生き…て居…るから、心……配、する、な…」
『喋らないで!止血しなきゃ』
口ではそんなことを言っているのに、心の何処かで安心している自分が居て。その声を聴きたい自分が居て。
涙が出そうになるけれど、ぐっと堪える。
「今救急車呼んだから。止血できた?」
『一応…』
「す…まな…い」
『何言ってんですか!!馬鹿ですか!?』
「俺の……兄が…」
『どうでもいいですそんなん!!どうせ母を殺 したのはお兄さんなんでしょう!?』
「何故……分か…った?」
『何となくです!そんな事より、私には綾辻先生の命の方が大事です!!綾辻先生がタヒんだら……ッ』
『綾辻先生がタヒんだら、私はどうすれば良いんですか!?私の仕事無いですけど!?生活出来ませんけど!?猫たちは!?っていうか』
『綾辻先生居ないと、心に穴が空いた様な感じして、何か、何か』
『寂しいんですよ、馬鹿野郎!!!』
結局、これが本音なのだ。
知らないうちに、好きになって居たんだな。
綾辻先生の顔色は尋常じゃなく白い。元々白いのに、血を失い過ぎたせいで更に白くなっている。時間がない。
突然、ふっ……と先生が笑みを溢した。
「ご主人様…に……向かっ…て、そ…んな……口…を、利くとは…躾が足りない…よう…だ……な…」
『だから喋らないでって…』
「俺は…ま……だタヒなん…から…な…」
「事、件……の…依…頼は…?」
ぶわ、と涙が溢れた。
綾辻先生、
『綾辻先生に』
貴方は、もう
『綾辻先生に、母を殺 した犯人、それから綾辻先生を撃った事件の解決を依頼します!!』
「…ああ」
何処まで人を弄べば、気が済むんですか。
私の腕の中で、綾辻先生が笑った。
その瞳には、何時もの冷酷さは無かった。
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沙月(プロフ) - 佐伯先輩がいたら腐女子で会話したい((なんか、辻村さんおっとりしてない?綾辻先生かっこよすぎん?もう、好きです。 (2019年7月21日 0時) (レス) id: b7d8d46a43 (このIDを非表示/違反報告)
ふうゆず - とっても面白かったです!はぁ…僕も小説欲しいな…うううううううう (2019年5月3日 16時) (レス) id: 77992ccb5c (このIDを非表示/違反報告)
さそりんご - 赤珠(元 チョコうさ。)さん» ありがとうございまあああああす!!完結しちゃいましたけど、また文スト書いたら読んでくれると嬉しいですo(*⌒―⌒*)o (2018年8月29日 0時) (レス) id: 99a0ba4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠(元 チョコうさ。)(プロフ) - 面白かったでえええええす!!!!!! (2018年3月28日 21時) (レス) id: 5fa7fae13e (このIDを非表示/違反報告)
さそりんご@さきいか - 謎さんさん» どぅおわあああ!!!ありがとうございます!!ハッピーエンドです笑 バッドエンドでもよかったんですが、やっぱり幸せになってほしいんでww はい!また作るつもりですので、その時は是非。。。´_ゝ` (2018年3月23日 15時) (レス) id: 62ceed44b7 (このIDを非表示/違反報告)
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