【文スト】特一級危険異能者に恋するなんて私はおかしいですか？【綾辻行人】

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＜大丈夫ですか！？＞


『坂口先輩…！！』


＜日ノ川君ですか？佐伯君も居ますね。綾辻先生も…＞


「ああ。俺は大丈夫だ」


「私も大丈夫です。ただ……」


＜ただ？＞


「犯人だと思わしきグループが探偵事務所を包囲していて、警察も迂闊に手が出せない様です」


＜そうですか……機動隊を呼んでも良いのですが、あまり効果は無さそうですね…＞


「心配無用。俺が行く」


「は！？む、無茶よ」


『綾辻先生！？』


＜…！＞


「おい。無線貸せ」


『な、何するつもりですか』


「つべこべ云ってないで早く貸せ」


綾辻先生は軽く息を吸った。


「坂口君｡犯行グループのリーダーは恐らく俺の兄だ。だとすれば俺が説得する以外に何がある。それ以前に」


「それ以前に……こいつらを傷付ける訳にはいかないんだ、判るか？」


＜……＞


坂口先輩は黙っている。


外が騒がしいから、沈黙が余計目立つ。


＜……判りました＞


『ちょ、坂口先輩…っ』


＜綾辻先生に任せます＞


「ああ」


「あんたねえ…っ」


「安心しろ。一仕事してくるだけだ」


綾辻先生は、唇の端を吊り上げて薄く笑った。


冷たい瞳と、青白い肌は其のままに。


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