目がさめると ページ2
「……んぅ、ぁあ」
どれほど寝ていたのか、少女は不意に目がさめる。体は汗で濡れていたが、匂いは感じない。額にあったのは、ぬるい布、おそらく最初は冷たかったのだろう。少女は、気がついた。自分の目が見えていることに。
「あれ、みえ……てる」
少女の今まで暗闇だった世界に、色が、形が、加わった。初めて見た手、そして、木製の家具……窓の外から入る太陽の光、そして街の風景。その一つ一つが今までは想像の光景が今、答え合わせをしろと言わんばかりに広がっている。
「夢、じゃ、ない……よね？」
いや、夢でもこんなモノを見せてもらわせただけ満足だ。少女は、そう思った。すると、扉が開く音に反応し、顔を向けてみると、そこには一人の女性がいた。
「A！何やってるの？そんな所にいちゃ、危ないって」
少女にとってその声は聞き覚えのある声だった。すぐに、分かった。この人が少女の姉であることを。
「ねぇ、さん？」
涙が溢れる。
「え、まさか……あんた、目……見えて……」
少女はすぐに姉に抱きつく。もう、ちぎれる程強く。姉もそれに答えるように、優しく肩を叩く。
「ねぇさん、思っていたよりも、ブサイク」
締め付けが厳しくなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
道化師 - 続きがすごく気になります!更新頑張ってください! (2020年10月7日 22時) (
レス) id: a938136fc3 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ - 続き気になります！更新楽しみにしてます！ (2019年10月12日 17時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
TWINS(プロフ) - 初めまして！更新頑張ってくださいね！ (2019年9月24日 21時) (レス) id: 3bba864c65 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：犬バニラ | 作成日時：2019年9月5日 23時
