目が見えない少女に救済を ページ1
「Aちゃん、大丈夫かい？」
ここは、市場。多くの店が並びウチの店こそが一番の食材だ、と言わんばかりに大きな声を出し宣伝している。そんな市場は多くの客によって繁盛していた。そんな中、白杖を持った少女が野菜を売る店主に野菜を受け取る際に不安なのか、少女に言った。少女は、店主を安心させるように言う。
「大丈夫です。家も近いですし」
「そ、そうかい、気をつけてね」
少女は野菜を受け取ると、家に帰る。扉のノブの所を手探りで探し当て回す。そして、玄関まで来てくれた姉に野菜を渡し、自室に戻る。その後、ご飯ができるまで、ベットの上で横になる。少女は生まれた時から、目が見えない。この世界が、どうなっているのか、自分の顔すら分からないのだ。何もわからないまま、死ぬのだ。いやだ、私だってみんなと同じように、この世界を見たい、そう思うと自分の胸が締め付けられたように苦しくなる。目をつむろう、そして何も考えるな、悲しくなる。少女はそう自分に言い聞かせる。
「君は、世界がどのようになっているのか、見たいかい？」
突然、少女の頭の中に声が響く。その声は、とても中性的で性別がわからず、これまでに聞いたことがない声だった。
“え？あなたは、誰ですか？”
「私は、あなた」
“え？それは、どういう……”
「君と話すのも、これが最初で最後かもしれないが……君は“目”が欲しいかい？」
“もちろんです。この世界を見てみたい！どんな感じなのか知りたい！”
「なら、君に良いものをあげる。けど、苦しいかもしれない。何か壊れるかもしれない。それでも、やるかい？」
“やります！お願いします”
「わかった。じゃあ君に“目”を与える」
その言葉の後に、少女の脳裏に次々と、色々な光景が浮かび上がってくる。一つ一つ、初めて見る光景だ。少女は、これが世界か、これが家で、これが……と胸をワクワクさせる。
しかし、次に浮かんだ光景は悲惨なものだった。大量に積み上げられた焼死体、そしてそれを見下ろす。それを見るのはとても苦しい。
少女はある男の人生を追体験した。産まれから失うまで……。
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道化師 - 続きがすごく気になります!更新頑張ってください! (2020年10月7日 22時) (
レス) id: a938136fc3 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ - 続き気になります！更新楽しみにしてます！ (2019年10月12日 17時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
TWINS(プロフ) - 初めまして！更新頑張ってくださいね！ (2019年9月24日 21時) (レス) id: 3bba864c65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：犬バニラ | 作成日時：2019年9月5日 23時
