君の隣は僕の指定席。

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「桃山、今日部活ないよな？放課後、浮所に校内案内してあげて。」

『はぁ…』




しまった！

今日は早く帰れると思ったから、お昼にやってるドラマ再放送みれないな、なんて考えてたら
気のない返事をしてしまった。

ゆっくりと隣に視線を向ける。




「桃山さん、早く帰りたかったのに、って顔してる笑 ごめんねー！笑」




眩しい笑顔でそんな事いうから、ダメなんて言えないじゃん。

しかもこの人、全然ごめんって思ってないとみた。



こうして始業式の後、私はこの隣の爽やか転入生 浮所君に校内を案内することになった。






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『一通り、校内はこんな感じかな？大丈夫？分からなくなったら、いつでも聞いてね。」




始業式後のHRの後、私は浮所君に校内を簡単に案内していた。

浮所君は夏休み中に、親の仕事の都合で愛知から引っ越してきたみたい。

っていっても、中学の途中までこっちに住んでたから、出身はこっちみたいだけど。




『浮所君、初日からめっちゃ人気だったね。他のクラスからも見にきてたし。」

「転入生、珍しいじゃん？すぐ落ち着くよ。」




歩きながらそう言って、また爽やかな笑顔。

その笑顔、眩しすぎるわ。

そして、一切人見知りしないコミュ力おばけ。


私の周りにはいないタイプ。






「Aー！」




教室に戻ろうと並んで購買の前を歩いていると、やたらと大きい声が少し離れた場所から聞こえた。



『…龍我か』

「ん？」





浮所君と後ろを振り返ると、私達のもとに小走りしてくる龍我の姿があった。

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