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その後の事は、正直あんまり覚えていない。
気がついたら部室のドアを後ろ手に閉めていた。
写真部の部室からは花火は見えない。
すぐ近くで上がっているはずの花火が、
やけに遠くに聞こえる。
カーデのポケットで鳴り続けるスマホも、
全部が全部、遠くの世界の音に聞こえた。
…
私は何に動揺しているのだろう?
龍我だって、
そりゃあ彼女くらいいてもおかしくないよね。
モテるし。
背、高いし。
顔、綺麗だし。
バスケ上手いし。
笑った時にできる、変な位置のえくぼ可愛いし。
わがままだけど。
結局最後は優しいし。
つらい時、話を聞いてほしくなるのは、
いつだって龍我だった。
何を、
言ってるんだろう、私。
これじゃあ、好きみたいじゃん。龍我のこと。
もう、
好き、じゃん。龍我のこと。
鼻がツンと痛くて、
頬にじんわりつたうものが涙だと気づいたとき、
今まで感じたことのない想いが溢れて苦しい。
いつも当たり前に隣にいた龍我が
自分ではない誰かと寄り添う姿を見て、
初めて
いつもが
当たり前じゃなかった事に気づいてしまった。
一瞬で目に焼きついてしまった
寄り添う2人の画になるシルエットを
目を閉じて再び思い起こす。
もう、
今までみたいにはいられないんだ。
この涙と一緒に、
今ここで、
気づいてしまった気持ちを全部流してしまおう。
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me(プロフ) - ぷりむさん» ぷりむさん、再びコメントありがとうございます!ゆっくり更新で大変恐縮ですが、コメント励みになります!いつも読んで頂き、ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします! (2020年7月27日 19時) (レス) id: 489d970d26 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりむ - 更新ありがとうございます!!アップされてないかな〜とちょくちょく見にきていたので嬉しい!お忙しいと思いますが引き続き宜しくお願いします!!☆ (2020年7月26日 18時) (レス) id: b4212bb9de (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - ぷりむさん» コメントありがとうございます!本当に嬉しいです!お返事が遅くなり申し訳ございませんでした><友人たちに囲まれながらのストーリーを展開していきたいと思いますので、これからも是非ご覧いただけると嬉しいです! (2020年6月20日 16時) (レス) id: f47db2080a (このIDを非表示/違反報告)
ぷりむ - 友人構成がとても好きです!!更新楽しみに毎日チェックしてます!引き続きよろしくおねがいします!! (2020年6月16日 21時) (レス) id: ba90b25f8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:me | 作成日時:2020年5月20日 2時