検索窓
今日:6 hit、昨日:35 hit、合計:67,230 hit

45 ページ46


_A side




浮「A、文化祭、一緒に回らない?」



部活終わり、約束通り、図書館で待っていてくれた飛貴。

お話上手で会話が絶えない飛貴との帰り道。

お誘いは、そう、突然に。
いや、突然でもないのか?



でも、言わなくちゃ。
今日こそは…。




『あのね、飛貴。』



急に立ち止まる私に合わせて、
足を止めて振り返る飛貴。

目を合わせなくても分かる。
飛貴がまっすぐ私を見てくれていることに。


言葉が思うように出てこなくて、
ゆっくり深呼吸をした。



『ごめん。私、飛貴と文化祭、回れない。』


浮「…先約とられちゃってた?」


『そうではないんだけど…。』




いつものように、飛貴の声は優しい。


『はっきりさせないままで、飛貴と一緒にいるの、申し訳ないなって…。』

浮「俺がそれでも構わないって言ってても?」

『うん…』

浮「Aは、俺の事、キライ?」

『嫌いなわけ…!」

浮「じゃあ、どうして一緒にいちゃダメなの?」



飛貴の真っすぐな視線が苦しい。

同時に、気持ちを思うように言葉に出来ない自分にも腹が立つ。

知らないうちに、唇をきゅっと噛んだ。



浮「…ごめん。ちょっと口調強くなった。

分かってるよ。Aにとって、俺は友達カテゴリーだってこと。
好きになってもらいたくて、押して押して押しまくってるけど、
Aが、俺の事そういう好きに見れなくて申し訳なく思ってることだって。」



『…』



浮「言って。
大体分かっちゃてるけど、俺。苦笑
Aが今思ってること。」



いつだって飛貴はそうだ。




浮「でも、その前に。もう一度、ちゃんと言わせて。」




夕陽に照らされて、2人の影が伸びる。



伸びた飛貴の影が一歩、距離を詰め、
うつむく私の手を取った。





浮「A、好きだよ。」






顔を上げた先にある、吸い込まれそうな真っすぐな瞳が、

わずかに潤んでいるように見えたのは、夕陽のせいではないはずだ。

46→←44



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (71 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
187人がお気に入り
設定タグ:美少年 , 佐藤龍我 , 浮所飛貴   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

me(プロフ) - ぷりむさん» ぷりむさん、再びコメントありがとうございます!ゆっくり更新で大変恐縮ですが、コメント励みになります!いつも読んで頂き、ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします! (2020年7月27日 19時) (レス) id: 489d970d26 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりむ - 更新ありがとうございます!!アップされてないかな〜とちょくちょく見にきていたので嬉しい!お忙しいと思いますが引き続き宜しくお願いします!!☆ (2020年7月26日 18時) (レス) id: b4212bb9de (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - ぷりむさん» コメントありがとうございます!本当に嬉しいです!お返事が遅くなり申し訳ございませんでした><友人たちに囲まれながらのストーリーを展開していきたいと思いますので、これからも是非ご覧いただけると嬉しいです! (2020年6月20日 16時) (レス) id: f47db2080a (このIDを非表示/違反報告)
ぷりむ - 友人構成がとても好きです!!更新楽しみに毎日チェックしてます!引き続きよろしくおねがいします!! (2020年6月16日 21時) (レス) id: ba90b25f8c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:me | 作成日時:2020年5月20日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。