君の隣は僕の指定席。

36 ページ37

・




それからは、
私に気を遣わせないように、いつも通りの飛貴で。

事前に調べてきてくれたであろう、周辺のおすすめスポットやお店を2人で回った。

みんなで班行動の予定立ててた時よりも、さらに詳しくリサーチしてるあたり、
飛貴の行動力と意気込みが感じられたり。



浮「Aが好きそうなとこ、頑張っていっぱい調べたよ！」



直球アピールもしっかり忘れない。




でも、
今まで意識していなかったさりげない飛貴のしぐさや行動１つ１つまでも、
意識してしまうようになったのも事実。


レジで英語が分からなくて苦戦してると助け船を出してくれたり、

正面から来る人とすれ違う時には、さりげなくぶつからないように引き寄せてくれたり、

写真を撮る時には、ぐっと顔を寄せたり etc…



前に里奈に言われたように、
めちゃめちゃ分かりやすくないか？飛貴の行動は。

今まで気づかなかった私って、一体…。



飛貴の言う通り、
すっかり意識し始めている私がいた。



浮「そろそろホテル戻らなくちゃなー。」

『うん。あ！私、梅干し探さなくちゃ。』

浮「梅干し？笑 ピンポイントじゃん。笑
A、そんなに梅干し好きだったの？」

『いや、お土産。龍我が世界一梅干し好きなの。」

浮「龍我くん？」

『そう。佐藤家にはさっきお土産買ったんだけど、梅干し買ってあげたら、泣いて喜ぶと思うんだよね。笑
単純だから。笑』

浮「…あー、梅干しのお菓子、台湾土産で人気みたいだしねー？
最後におっきなデパートみたいなとこ寄ってからホテル戻ろっか。
お土産コーナーにありそう。」

『うん！ありがとう！』

浮「うん。…じゃ、行こっか。」




デパートで無事に台湾梅干しを手に入れた後は、
無事にホテルに戻って、里奈たち班のメンバーと合流することができた。



里「あとで詳しく聞かせてね。笑」



里奈の好奇心に満ち溢れた顔を見て、
修学旅行最後の夜は尋問から逃げられないことを覚悟した。

37→←35

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す