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浮「A、大丈夫?」
里「やっぱり、体調悪かった?」
保健室に入ってきたのは浮所(すでに先輩呼びを放棄)と、Aの友達の里奈先輩。
真っ先に、俺とAがいる奥のベッドのカーテンを開ける豪快な里奈先輩。
『里奈、飛貴。』
里「朝からずっとしんどかったの?」
『いや、ちょっとだるいなーって思ってたくらい。』
里「気付けなくてごめんね…」
里奈先輩は枕元に駆け寄り、心配そうにAに話しかけた。
浮所は、
悲しそうな、申し訳なさそうな複雑な顔でAの事を見つめてたと思ったら、
やっと口を開いた。
飛「A、ごめんな。昨日帰り濡れたからだよね…」
え?
昨日の帰り?
確かに昨日の夜は雨降ってきたけど。
一緒に帰ってるとかじゃないよね?
『違うよ、たまたま。』
飛「でも、結構降ってたし。」
『飛貴がカーデ貸してくれたから、そんなに濡れなくて済んだし。逆に飛貴がめっちゃ濡れたのに、私が風邪ひいて申し訳ない。』
飛「俺は全然大丈夫だけどさ…」
龍「…2人はいつも一緒に帰ってるの?」
今この場で聞くことじゃないって分かってる。
でもどうしても確かめたくて。
俺が部活でAと帰れない間に、
こいつが一緒に帰ってるかと思ったら…
分かってるよ。
この感情がただの嫉妬だってこと。
焦る俺とは対照的に、浮所は穏やかにAを見て言った。
飛「昨日はたまたま。な、A?」
『うん。』
飛「俺は毎日一緒に帰れたら嬉しいけどね。」
『「え?」』
思わずAとハモっちゃった。
あぁ、
思った以上に浮所は積極的。
恋とかそのへんの類にAは鈍いと思うけど、
こういうのは厄介。
困る。
悶々としていると、タイミングよく保健の先生が戻ってきた。
そろそろ教室に戻るように俺らを急かす。
あと、あと少しだけ。
あと少しだけAのそばにいたい。
何より心配だし。
龍「A、今日、Aママの帰り遅い日だよね?
今日部活早く終わるから、一緒に帰ろ。午後の授業も短縮だし、ここで寝てて?迎えにくるから。」
『一人で帰れるよ。』
龍「そんな真っ赤な顔で言われても、説得力ありません。」
浮所に見せつけるように、Aのほんのり紅い頬を軽くつねって、
俺らは保健室を出た。
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me(プロフ) - ぷりむさん» ぷりむさん、再びコメントありがとうございます!ゆっくり更新で大変恐縮ですが、コメント励みになります!いつも読んで頂き、ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします! (2020年7月27日 19時) (レス) id: 489d970d26 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりむ - 更新ありがとうございます!!アップされてないかな〜とちょくちょく見にきていたので嬉しい!お忙しいと思いますが引き続き宜しくお願いします!!☆ (2020年7月26日 18時) (レス) id: b4212bb9de (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - ぷりむさん» コメントありがとうございます!本当に嬉しいです!お返事が遅くなり申し訳ございませんでした><友人たちに囲まれながらのストーリーを展開していきたいと思いますので、これからも是非ご覧いただけると嬉しいです! (2020年6月20日 16時) (レス) id: f47db2080a (このIDを非表示/違反報告)
ぷりむ - 友人構成がとても好きです!!更新楽しみに毎日チェックしてます!引き続きよろしくおねがいします!! (2020年6月16日 21時) (レス) id: ba90b25f8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:me | 作成日時:2020年5月20日 2時