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_Ryuga side



龍「あー、もう、めっちゃくやしい。」



Aは、俯きながら髪をわしゃわしゃとかく俺の隣にゆっくりと座った。



『いつからここにいたの?今日寒いし、風邪ひいちゃうよ?』

龍「…慰めの言葉とかないんですか?」

『自分のクラス応援してたし。』

龍「A、冷たい。」



でも、知ってる。
Aが負けず嫌いな俺を心配して、ここに来てくれたことを。


俺らはお互い何か凹むことがあると、自然とこの公園に来ることが習慣になっていた。

兄弟と喧嘩して親に怒られた時も、
Aがピアノの発表会で失敗した時も、
俺が中学最後の部活の試合で負けた時も。

Aと俺にしか分からない、暗黙のルール。



9月の初旬にしては冷たい風が、またそっと頬を撫でた。



龍「寒い。」

『だから言ってるじゃんー。』



そろそろ帰ろう、と立ち上がるAの手首を掴んだ。



『龍我?』



驚いて目を見開くAを真っ直ぐ見つめた。



龍「寒い。あっためてよ。」



さらに驚いて困った顔をするAを見て、胸の奥がきゅーっと締め付けられた。



困らせたいわけじゃない。



でも、この幼馴染というある意味特別な関係から抜け出したくて。

でももし俺が気持ちを伝えたとして、
Aがその気持ちに応えられなかったとしたら?

今までの俺らの関係が崩れてしまう気がして。

崩したいのに、前に進みたいのに、
崩したくない。

どんなワガママ?


そう思うけど、戸惑いの表情を浮かべるAを前にしても、簡単に手を離すことはできなかった。



俺は焦っていた。



『龍我?何か、あった?』



理由は、今日のバスケの決勝後に遡る。

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設定タグ:美少年 , 佐藤龍我 , 浮所飛貴   
作品ジャンル:恋愛
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me(プロフ) - ぷりむさん» ぷりむさん、再びコメントありがとうございます!ゆっくり更新で大変恐縮ですが、コメント励みになります!いつも読んで頂き、ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします! (2020年7月27日 19時) (レス) id: 489d970d26 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりむ - 更新ありがとうございます!!アップされてないかな〜とちょくちょく見にきていたので嬉しい!お忙しいと思いますが引き続き宜しくお願いします!!☆ (2020年7月26日 18時) (レス) id: b4212bb9de (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - ぷりむさん» コメントありがとうございます!本当に嬉しいです!お返事が遅くなり申し訳ございませんでした><友人たちに囲まれながらのストーリーを展開していきたいと思いますので、これからも是非ご覧いただけると嬉しいです! (2020年6月20日 16時) (レス) id: f47db2080a (このIDを非表示/違反報告)
ぷりむ - 友人構成がとても好きです!!更新楽しみに毎日チェックしてます!引き続きよろしくおねがいします!! (2020年6月16日 21時) (レス) id: ba90b25f8c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:me | 作成日時:2020年5月20日 2時

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