君の隣は僕の指定席。

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「キャー！」

「龍我くーん！」



体育館に行ってみると、体育館中に黄色い声援がこだましていた。



「想像以上の人気だね、おたくの幼馴染み王子は。」

『うん。』



自分の試合の空き時間だという里奈とバスケの試合を撮りにきた。

さっき撮ってたサッカーも大分盛り上がってたと思うけど、
こっちはさらに盛り上がってる。

どうやら龍我のクラスの試合は始まったばかりらしい。
と、なると隣のコートはもうすぐうちのクラスの試合か。



『里奈、私あっちの試合、先に撮ってくるね。うちのクラスの試合、始まったら戻ってくるから。』

「はいよー。ばっちり王子撮ってきてねー！私も買うからー！」

『了解。笑』



里奈と別れて、龍我のクラスと他の1年生のクラスの試合に向かった。



相変わらず上手いな、龍我。

バスケ部期待のルーキーがスポーツ大会でバスケ出るなんて、反則じゃないの？

そんな事を思いながらカメラのシャッターをきった。


龍我がフリースローを決める。

悲鳴にも似た黄色い声援がわいた。

相変わらず綺麗なフォーム。
悔しいけど絵になるんだな。

シャッターチャンスを逃すまいと、夢中でシャッターをきった。


またまたシュートを決めた龍我と、カメラのレンズ越しに目があった。

にかっと笑ってこっちに向かってピース。

勝ってるから調子に乗ってるな。

ちゃんと試合に集中し「キャー！」


？！

突然の悲鳴が上がった方に振り向くと、
うちのクラスの試合が始まっていた。

そこにはクラスメイトとハイタッチを交わす飛貴。



「A！やばい！試合始まった！浮所が予想以上に上手い！」



興奮気味にやってきた里奈に腕をひかれ、隣のコートに連れていかれる。


振り向くと、
ボールを持ったまま、心なしか捨てられた仔犬のような目でこっちを見る龍我がいた。

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