君の隣は僕の指定席。

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「ねーA？Aはスポーツ大会、何出るの？」

『私？出ないよ？毎年、写真係なの。』



駅から家までの道のりをゆっくり歩きながら、新学期早々、1週間後に迫った学校行事について聞いてみる。

うちの高校は9月にスポーツ大会、10月に2年生が修学旅行、11月に文化祭がある。

結構盛り上がる事で有名らしく、
1年の俺にとって、初めての高校行事だから、密かに楽しみだったり。

去年、中3のとき、Aが文化祭に誘ってくれて、行ったんだけど、
Aがクラスの男子と楽しそうに話してるのを見て、絶対同じ高校に行くって決めた。

普通に考えたら、めっちゃ怖いやつじゃん、俺…

ここまでしても、何も気づかないAって一体…
どれだけ鈍感なのさ。



『写真部は毎年写真係なの。希望すれば、試合出れるけど、龍我、私、苦手なの知ってるでしょ？』



Aははっきり言って、運動神経が鈍い。
よくコケるし。



「苦手って…鈍いだけじゃん。笑」

『うるさい。気にしてるんだから…』

「まぁまぁ。俺の写真もちゃんと撮ってね！」

『撮るよ？龍我の写真、売れそうだし。』

「…売れそう？って？」

『写真部が撮った写真はね、販売するの。売上は11月の文化祭の資金の一部になるから、結構責任重大なんだー』

「へぇー」

『だから龍我！よろしくね！』



顔を覗き込んでお願いしてくるAに、少しドキドキしながらも平静を保つふり。

よろしくって、何をどうよろしくすれば？って思ったけど、
きっとこれでAは俺の試合を見に来てくれる。

バスケ部でバスケにエントリーする俺は、俄然力が入った。

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