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貴くんの奥さんが出て行って
静かな部屋
先に口を開いたのはAだった
A「どうして？店に来ないでって
言ったじゃん。」
「あの日からずっと…
Aが居なくなってからずっと
忘れた事なんてなかったよ。
お前が置いてったものも全部捨てれなくて。」
A「臣は今幸せでしょ？
仕事も順調で綺麗な彼女もいて。
過去なんてもういいよ…」
「幸せかって言われれば
そうかもしんねえ。
けど、お前があん時居なくなって
ずっとどっか心に穴が空いてんだよ。」
A「なにそれ？
可哀想だから？」
「そんなんじゃねえよ。
可哀想とかそんな風に思った事ねえよ。
ずっと隣にいるって言ったじゃん。」
A「けど…私じゃなくても…
良かったんじゃん…
臣の隣には違う人が…いるでしょ…
私も…愛琉がいるから…幸せだよ…」
「じゃあなんで泣いてんだよ！」
幸せなんて到底思えない…
泣いてるAを見たら自然と
抱きしめてた
あの日のように
自然と？求めるように
重ねる唇
言葉とか思考とか追いつかなくて
ただ本能に支配されるように
あの頃と何も変わらず
ただ舌を絡めてお互いの存在を
確認するように
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作者名：miniminimana
| 作成日時：2020年4月16日 0時
