134.離れた温もりは寂しさと涙を連れてきた、そんな夜 ページ31
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カランカラン…と鳴ったベル。
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潤「あ、いらっしゃい。というかおかえり？」
「…(笑).、ただいまです」
潤「あれ。なんか買ったの？ウインドウショッピングじゃなかったの？(笑)」
「あぁ、あはは、ちょっと…計算が狂いまして」
潤「あるある、そういうの。ウインドウショッピングって敵だよね。気づくと財布持ってんの」
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くは、って笑った潤くんの背後にはテーブルを拭いている琴海ちゃん。
もう店じまいだったからお客さんは一人としていなくて
ラストオーダーの時間もとっくのとうに過ぎている。
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そろり…と入った店内。私の足音に気づいた琴海ちゃんはパァっと花が咲いたような笑顔でペコリとお辞儀。
なんていい子なんだ。くっそう。
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和也「…あれ、なんかいる」
「…なんかってなに」
和也「帰ったんじゃないの？(笑)」
「賄い！作ってくれるって言ったから戻ってきたんです」
和也「言ったっけ？」
「言いました！」
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厨房から満を辞して出てきた、カズは額にじんわり汗を掻いている。そりゃそうだ。ずっと火を使っていたんだから。
ムキになった私を見てクククと喉を鳴らして笑うのは、からかってる証拠。
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和也「なんか買ったんだ？」
「…あっ。これはその…」
和也「服？見せてよ」
「はっ！？やっやだ！」
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チュールスカートなんか買ってるってバレたら私、色んな意味で死ぬ。
しかもカズに褒められたくて買ったなんて知られたら宇宙規模で爆発する。
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見せてよ。ってからかい口調でカズが私の右手を掴んだ瞬間。
カランカラン！と乱暴になったベル。それに反応した私たち。潤くんが奥でもう店じまいです、っていうのに
バタバタと御構い無しに入ってきた……その男の人は
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なんの躊躇いもなく、琴海ちゃんに向かっていって
琴海ちゃんは目を見開いて、顔が一気に青白くなる。
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＊「やっと…見つけた！」
琴海「ひっ」
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すらっとした手足はモデル並み。なのにその人の目は殺気立ってて
琴海ちゃんが悲鳴を上げたのと、同時だった。
カズが私の手を離して、素早く。
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和也「…ウチの琴海に何か用ですか？」
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泣きそうな琴海ちゃんの前に、カズが立ちはだかったのは。
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