119.新しい風が吹く ページ16
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潤「森田琴海ちゃん。17歳。高校二年生の、新規アルバイトさんだよ」
「こう………こうにねん…せい！？」
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高校二年生、私は何をしていただろう。
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“ことちゃん”
カズになんの躊躇いもなくそう呼ばれてた、黒髪の女の子。
その女の子のことが頭から離れなくなってしまうあたり
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私はなかなかの重傷者。
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気になって気になって、やっと仕事が休みの日。ダメ元で潤くんに「会えませんか」と連絡をすると
秒で既読がついて、「いいよ」と返信が来たのが始まり。
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いつも通りのカノンが流れてる喫茶店でお互い頼んだブレンドコーヒー。
最初はふたりしてくだらない世間話をしていたけれど
潤くんは核心をついてくる。「俺に聞きたいことあるんじゃないの？」って…。
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ブレンドコーヒーは、思ったより苦い。
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「…え、いやでもアルバイトなんて雇ってたっけ？」
潤「いやぁ…それがさ。fishのオーナーの大野さんが放浪の旅から帰って来て」
「ほ、ほうろう…？」
潤「アルバイト雇うことにしたからー、募集かけたからー、なんならもう採用したからー、なんて言い出して」
「…はあ」
潤「それでやって来たのがことちゃんね。琴海、だからことちゃんって俺らは呼んでる。」
「ことちゃん」
潤「仕事覚えるの早いし、要領いいし、いい子だし。Aちゃんには申し訳ないけど…申し分ない子だね」
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この会話の中でわかったことは
カズを拾った大野さんって人はロクにならないことをしてくれたらしい。
なんでいきなりアルバイトなんだろうね、と問えば「あの人気分屋だから」なんて答えになってない答えが返ってきた。
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「高校二年…」
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華のセブンティーン。
だからか、と納得がいく。まだ穢れを知らない艶やかな黒髪も
吹き出物がない白い肌も、素直な笑顔も。
17歳と知れば合点が行く。
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潤「まあでも大丈夫なんじゃないかな」
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潤くんが真顔でコーヒーに角砂糖を10個入れる。
…10個？
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潤「ことちゃん、彼氏いるって言うし。カズのタイプの顔の系統じゃないし」
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…今度は、ミルク？
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