4本目 (ss side) ページ4
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幼なじみのAが俺の彼女の幼なじみのあっきーに恋をしているのは、もう分かっている話だが、俺はそれが心配で仕方がない。
「あっきーとAがくっ付いて欲しいっていうのはあるんよ？でも、あれじゃAが可哀想で･･･」
「確かに、あれは可哀想超えて不憫やね」
幼なじみって言うのは、漫画みたいに恋に落ちるものではない。ずっと近くに居るだけで何も起こらないものだ。現に、由貴ちゃんとあっきーのところもそうだ。
「あっきーのことやから、きっとなんか理由はあるとは思うねんけど、Aちゃんには言えんのかな･･･」
「Aには言えんこと･･･」
あっきーって基本何考えてるか分からない。だから、実はむちゃくちゃ可愛い彼女が居って、Aに無理とか言ってるんじゃないかとか普通に考えてしまう。
「そんなんしたら、ほんまに許さん･･･」
「どうしたの？」
「由貴ちゃんはもちろんのことやけど、Aのこと傷つけるのも許せへん･･･」
「あっきーが？」
「そう、あっきーが」
「ほんまに忙しないなぁ、私の彼氏」
由貴ちゃんがケラケラと笑う。由貴ちゃんが大切なのはもちろん一番やねんけど、Aやって大切な幼なじみやもん。どっちを取るかと言われれば、そりゃ･･･由貴ちゃんやけど。
『どうしたんですか？』
「俺、あっきーに内偵入れてくる」
『え、どういうこと？』
「あっきーのこと探らな、分からんこともあるやろ」
Aに言えへん理由とかあるの？あっきーのその思わせぶりな態度になんの訳があるの？聞かなきゃ治まらない。一丁前にAが自分のファンとか思わんといてや？アイツは、本気やねんから。
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作者名：明烏 | 作成日時：2021年6月26日 10時
