63 KSside ページ13
自分がいかに幼稚か、嫌という程思い知った今日。
Aの口から出てくる自分以外の人の名前
ミンソクさんの名前を口にする度
どこか切なげに瞳を揺らす。
自分で気づいているのだろうか
嫉妬と独占欲から生まれた黒く歪んだ愛情は
あっという間に僕の思考も飲み込んで
気づけばAの身体に自分の欲を思うがままにぶつけていた。
心のどこかで
もう1人の自分が
｢他の男を見てるAが悪い｣
と囁いている。
・
全て終わった後
力なく床に仰向けに寝転がるA。
僕は体を横に向け
汗で額に張り付いたAの髪の毛を
撫でながら避けていた。
まだ火照った頬が
薄桃色になっていて
自分よりも4つも歳上だなんて感じさせない程
Aの姿は僕の瞳に幼く写った。
ただ、愛しくて
Aを見つめている間は
心の中の醜い僕も何も言っては来なかった
この空間が、2人だけの空間が
僕をどうしようもなく幸せにさせる
その幸せもやっぱり一瞬のもので
｢ギョンスさ、今までの子達にもあんな感じだったの？｣
｢強引で、自分優位な感じ、で｣
｢本当に最低、よりによってミンソクさんを振ったあとに…｣
Aのこの言葉に心が痛んだ。
僕に抱かれていた間も、
ミンソクさんの事をずっと考えていたのか？
何だよ、それ
感情が喉からそのまま外へ出た
｢じゃあ今から会いに行けば？｣
｢いつもの飲み屋にいるんでしょ？｣
｢そんなに気になるなら、行けば｣
本音とは全く反対の言葉が次から次へと止まらない。
もうミンソクさんの事はいいだろ
もう、会っても欲しくない
同じ仕事場にいて欲しくない
本当は、そう思っているのに
自分のイライラをAに八つ当たりでぶつけた後
僕は後悔した。
Aの、酷く傷ついた顔が目に映った
なのに
僕は自分の部屋に戻って、
Aを引き留めもせずに謝りもせずに。
ただ、扉の向こうから聞こえてくるAの罵声を
黙って聞いているだけだった。
2回、体の関係を結んだからって
Aが僕の物になった訳じゃない
頭ではわかっている。
十分理解しているのに。
その日、Aは家に帰ってこなかった。
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どどどぱーく(プロフ) - 今日この小説を知ったのですが、もうかれこれ4回は見返しています。本当に最高です。作者様ありがとうございます(滝涙)この小説は私の生きる糧です...明日も学校頑張ります;: (2020年8月25日 4時) (
レス) id: 244e64f267 (このIDを非表示/違反報告)
星(プロフ) - mamado112さん» 読み返してまで頂けるなんて…！(;_;) とっても嬉しいですありがとうございます！！こちらこそ不定期更新でしたのに最後までお付き合い頂き本当に有難うございました(;_;)懲りずに新作を書き始めましたのでお暇があればそちらも覗いてみて下さい(*´｀) (2019年4月5日 12時) (レス) id: 1b59a5eb20 (このIDを非表示/違反報告)
mamado112(プロフ) - 最後まで読める嬉しさと終わってしまう悲しさが入り混じりながら読ませていただきました。んー感無量です(TT) 余韻に浸りながらもう一度一話から読み返しました。星さん。忙しい中更新ありがとうございました！また星さんの作品を読める事を楽しみにしています！ (2019年4月5日 2時) (レス) id: 9a8bc6c822 (このIDを非表示/違反報告)
星(プロフ) - まゆさん» 勿体ないお言葉本当に有難うございます！(;_;)そう言って頂けると次回作へのやる気が湧いてきます！！こちらこそ不定期更新でしたのに最後まで呼んで下さって有難うございました！！(;_;)(;_;) (2019年4月4日 1時) (レス) id: 1b59a5eb20 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 最高！最高でしたよ〜！！全てが完璧です！！面白すぎて、また最初から読みたくなります！！更新お疲れ様でした！また次回作あったら絶対読みます！！素敵な作品をありがとうございました☆ (2019年4月3日 21時) (レス) id: a5365422b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星 | 作成日時：2018年8月23日 16時
