Meet GoodBye - BH (ページ24)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:78,413 hit

. ページ24

.

他愛ない話をしながら作業を進めてたらあっという間で。

「じゃ、俺これ売り場持っていくから先帰りな。A明日早番でしょ」

『そうだった、一緒に残業してくれてありがと。お先に失礼するねー』

お言葉に甘えて、ジョンデを置いて店を出た。

大通りに面したお店は駅まで歩いて数分。
夜遅くまでやってる飲食店もたくさんあり、人通りが多いから遅い時間に女性一人で歩くのも全然平気。

今日はまだ残業おわりのサラリーマンやOLも歩いてる時間だから、駅まで向かうその波に乗るように私も歩き出す。

そういえば……。

思い出してスマホを見る。ロック画面には待ちに待ったメッセージの通知。だいぶ前に来てたみたい。
検品に集中しすぎて気付かなかった。

『え……、』

メッセージを読んで、思いがけない内容に足が止まる。

〝返事ないから心配したよ。説明するから飯行こう。〟

嘘、そんなことってあるの？
焦りながらすぐにメッセージを返す。びっくりしちゃってスマホをタップする指が震えてる。

どうしちゃったんだろう。

会った記憶もないビョンベッキョンさんのことを好きになってしまったんだろうか。返事を送らなきゃって毎日彼のことを考えてたから恋してると錯覚してるのかな。

.

『セフンーーーー、ねぇ髪やってくれるの来週お願いできない？』

「おかえり、走って帰ってきたの？」

電車を降りて駅を出てから走ってセフンの部屋まで帰ってきた。玄関のロックを解除するときに慌てすぎて2回も押し間違えちゃった。

ブーツを脱ごうとしたけど焦ってなかなか脱げずにふらついて慌てて壁に手を付いた。あ、あぶない…。

「とりあえず落ち着いて。コート脱ぐ、そんで手洗ってきて」

言われたとおりにやって、ソファに腰をおろす。
隣に座ったセフンに掴みかかりそうな勢い。

テーブルに置いてあるセフンが買ってきてくれたチキンも無視して詰め寄る。

『ね、来週どう？』

「ちょうど今日確認してきたよ。ヌナのシフト入ってない日、昼頃なら空いてたよ」

『ほんと？夕方までに終わるよね、じゃあその日でお願い！』

服は、どうしようかな。
この部屋にはワンピースは一着しか置いてないんだよね。それもあの日着たやつ…。

明日、早番おわりに１回荷物取りに行ってこようかな。

私を見てふふ、ってセフンが笑う。
なんか変な顔だったかな？

.