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「はい、お待たせ」
『ありがとうございますー！おいしそう』
すぐにひと口飲んでみればあれれ…。
『ミンソクさん…』
「ん、どうした？おいしくない？」
おいしい。おいしいんだけど…
『これノンアルですよね』
「…バレたかー」
どおりで。待ち構えてたアルコールを一番最初に飲んだ時のあの喉にくる感じが全くなかったわけだ。
弱めなのかなとも思ったけどそれにしてもさっぱりしすぎてた。でも、どうして…
「禁酒中のAちゃんに。ジョンデからきつーく言われてるからね」
さすがジョンデ。ぬかりないなあ…。
飲めると思ってたから落胆も大きい。
『えへへ…ミンソクさん、飲もうとしたのは内緒でお願いします』
「しょうがないなー、良いものも貰ったし黙っててあげるよ」
『ありがとうございます！』
また次おいしいもの買ってこなくちゃ。
出費が痛いけど背に腹はかえられない。
『そういえばミンソクさん、昨夜のことで一つ聞きたいことがあるんですけど』
「ん、なになに？」
忘れるとこだった。
今日ここに来た理由はお詫びだけじゃない。
『ビョンベッキョンさん、ってご存じですか？それか昨夜私が誰かとお話してたとか覚えてます？』
昨夜の記憶がない以上頼みの綱はミンソクさんしかいない。おそらくビョンベッキョンさんには醜態を晒しているに違いないし。本人に誰ですかなんて聞けるわけがない。
なんとしてでも昨夜の記憶を手に入れなければ！
「んービョンベッキョン？聞いたことないなぁ。」
しばらく考えたあと吐き出された言葉は私の期待を裏切るものだった。ううん、ミンソクさんは悪くない。悪いのは記憶を失くすほど飲んだ私。
「そんな残念そうな顔しないで。昨夜会った人？Aちゃん店ではずっと１人だったし誰だろうね」
『ごめんなさい、変なこと聞いちゃって。』
「それより昨日だいぶ酔ってたけど大丈夫？ちゃんと帰れた？」
『あはは…なんとか』
手段はわからないけどセフンの部屋までたどり着き、ソファで寝てたから一応ミンソクさんの言うちゃんと帰れた、なのかな。
「帰るところがないって言ってたけど帰れたんだ？」
『…へ？』
なんという…。昨夜の私はそんなことまでミンソクさんにおしゃべりしちゃってたの。
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作者名：yun
| 作成日時：2017年9月2日 11時
