mellow

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待つこと5分、大きな笑い声と女子に囲まれてシューシー先輩がやってきた。その輪か少し離れた所にジョンウ先輩とイマーク、そして女子数人が歩いてきている。イマークって女子と話すの？しかも楽しそうに笑ってるし曲がっていたのかネクタイをなんの抵抗もせず直してもらっている。帰るだけなんだからいいじゃん！あの人イマークに触りたいだけなんじゃないの？




『シューシーせんぱあい』





わたしに誰も気付かないイラつきと、もう1つの
感情を押し殺して名前を呼ぶ。先輩はA〜とあのクールな見た目からは想像できない可愛らしい顔と共に手を振ってくれた。





「はい」
『ありがとうございます』
「美人で可愛いから母ちゃんがまた会いたいって言ってた！」
『なんですかそれ…』





マウントを取るつもりはないけれど、この女子軍団にはそう聞こえているのだろう。誰かが聞こえるように男好きと呟いた。先輩たちにも聞こえていたらしく、ジョンウ先輩はあたふたしていて、シューシー先輩はただの僻みだから気にすんなよ、とわたしの頬を引っ張り最後にデコピンを食らわせた。なかなか痛いんですけど…。イマークは我関せずと言った感じでさっきの女の子と話を続けている。ムカつく、腹立つ、なんでこんなにイライラするのかなんて理由は1つしかない。







『じゃあ帰ります』
「じゃあな」
『また連絡するんで夏休み遊びましょうねシューシー先輩』
「そう言ってA連絡してくれないから俺からするね」





取り巻きたちは悔しそうに歯を食いしばっているから連絡先は知らないんだろう。ちなみにこれはちょっとマウントを取ってやろうと思って言ったセリフだからスッキリした。結局最後までイマークはこっちを見ることがなかった。







校門までの道のりを1人寂しく歩いていると、門に寄りかかっているめちゃくちゃスタイルのいい見慣れた友達がいた。わたしをとらえた瞬間、ふにゃんと笑って手招きをする。わたしはその通りに急ぎ足でそこに行くと、遊んで帰ろうと珍しく誘ってきた。






『ナナは？』
「帰った。連絡しても返してくれないって言ってたけどどうかしたの？」
『あ〜、通知OFFにしっぱなしだ…』
「何してんの、めちゃくちゃ拗ねてたよ」





イマークが気になるってジェノになら言ってしまってもいいかもしれない。驚くかもしれないけれど、秘密にしてほしいと頼めばそうしてくれるだろうし、そしたらジェノも好きな人を教えてくれるかもしれない。

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