mellow

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ジェミンの好きそうなピンク色の入浴剤とボディーソープ、自分用にボディクリームを購入。あの質問をしてきたスタッフも最初はなんだこいつって感じだったけど商品に関しては詳しくて、わたしが好きな香りや使用感を伝えたら、何点かピックして紹介してくれてちょっと見直した。上から目線になってしまったけれど、第一印象の大切さを学べたので今となっては感謝しかない。





「買ってあげたのに」
『それは駄目だって』
「僕はよかったんだって」
『わたしは嫌です、第一ご飯も本当はさあ…』
「またその話するの？」
『だって「あの！」






家まで送ってくれるつもりだったらしいジェノとずるずると終わりの無いやり取りをしていたら、その会話を終了させてくれる救世主が現れた。それはさっきあのお店にいた子で、お友達は少し後ろからがんばれ〜と声援を送っている。これはわたしが邪魔なパターンかもしれない。



「あの、よかったら連絡先教えてもらえませんか、見たときからかっこいいって思って、今度ゆっくり会いたいなって…」




どうやらその子は本気で言っているらしくかすかに震えていた。これは頑張れと思ってしまうかもしれない。後ろで応援しているお友達のうちの1人にめちゃくちゃ睨まれてしまった。友達の気になる人の異性の友達は敵！！みたいなタイプなのかもしれない。




『あそこのコンビ二で待ってるね』




横断歩道を渡った先にある場所を指差しその場から離れようとすると、ジェノは危ないからここにいてよとわたしの腕を掴んだ。これ火に油注いでるんですけど…後ろにいる般若のような顔をした4人は見えていますか…？あの人達なら家特定しそうで怖いんですけど。






「あの…」
「少し前なら教えられたんですけど、ごめんなさい」
『そう言わずに教えてやれよ』
「ちょっと静かにしてて。……僕、好きな人いるので、あなたがもしそういうことを望んでないとしても、その人に誤解されるようなことはしたくないんです」
『え！？初めて聞いたんだけど！！てかよく分からないって「うるさいってば、帰ろう」』







ジェノに好きな人がいるって？少し前ってことは最近意識し始めた人？お姉ちゃんとジェノが話している姿を見かける回数が多くなったし、もしかしてもしかするのかな。聞きたいことは山ほどあるのに、好きとか嫌いとかよく分からないと困っていたのに好きな人がいるということで頭がいっぱいだった。今日はジェノに裏切られてばかりだ。

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