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「燃えた?」
『普通に切ったわ』
なにがあっても前髪は切らないと豪語していたわたしが短くしてきたからそうなっても無理は…いや、さすがに燃えたは失礼じゃない?スマホを向けられたからすぐさまウィンクとピースを決める。つまらなそうに舌打ちされたけれど、何かと不意打ちで写真を撮りたがるドンヒョクのことだから絶対すると先読みをしていたわたしの勝ちだ。
しばらく一緒に写真を撮ったり動画を撮ったり今日のお昼は何を食べるか話していたら、ロンジュンがやって来て同じように燃えた?と聞いてきた。
「かわいい〜、だから俺ずっと短くしなよって言ってたんだって」
ナナはわたしのことを小さな妹だとでも思っているのか、移動教室ですれ違ったときにハグをしてきた。髪型が変わったから周りにいた子たちは一瞬誰か分からなかったようでその場が凍りついたけれど、一緒にいたジェノがわたしの名前を呼んだら、なんだ〜〜と何事もなかったかのようにざわめきを取り戻した。それでいいのかアンタたちは…。
『変じゃない?』
「かわいいかわいい、かわいい〜」
機嫌がいいのかなんなのか、今日はナナちゃんワールドが炸裂している。気分の高低差は激しいけれど、ここまで高揚しているのは見たことがない。わたしの頬をつまんでにこにこしながら引っ張っているジェミンは少し気味が悪かった。
『痛いよナナ』
「そうだよ俺がナナ〜」
会話のキャッチボールが成立しないから諦めて好きなようにさせよう。わたしを無理矢理上に向かせおでことおでこをくっ付けて、目を閉じて鼻歌を歌っているけれど本当に何があったんだろう。本当につくづく不思議な子だと思う。距離感にバグが起きているけれどもう慣れっこなので特にときめきもせず冷静に対応しているわたしもなかなか凄いと思う。
ジェノを盗み見ると、あとでね、と口パクで伝えて来たから小さく頷いておいた。ていうからこれ角度によってはキスしているように見えるんじゃないの…。そろそろ剥がそうと肩に手を置いたら、やー!とわたしを悩ませているうちの1人の声が聞こえた。
「おい!廊下の真ん中で何してるんだよ!お前は離れろジェミン!」
「あ〜〜〜ちょっとマクヒョン〜」
『わたしとナナはいつもこんなんですよ、今日は距離感バグりまくってますけど』
「はあ!?」
『うるさっ』
体に染み付いた習慣は消えないらしく普段通りできていることに安堵した。
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rri(プロフ) - すっごくどタイプすぎるお話です…!最高すぎます!!!これからも楽しみにしています!!! (2021年2月24日 18時) (レス) id: 476bb9a440 (このIDを非表示/違反報告)
+(プロフ) - いつも楽しませていただいてます。姉を想う主人公ちゃんが健気で、なんでこんなに良い子なのに気づかないんだ…!と毎回もどかしい感情を抱いてしまいます笑 主人公ちゃんもみんなも幸せになって欲しい泣 応援してます! (2021年2月23日 23時) (レス) id: a20d1c0829 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - 文章、展開、設定、みんな好きで何度も読み返してます…これからも楽しみに読ませていただきます!! (2021年2月12日 9時) (レス) id: 597d1257a6 (このIDを非表示/違反報告)
侑那(プロフ) - わかりそうでわからないマクとジェノの感じが読んでてワクワクします!ナナやエクソ先生たちとの関係も最高です(*´˘`*) (2021年2月8日 15時) (レス) id: 5bbaa8a42e (このIDを非表示/違反報告)
xuu(プロフ) - 語彙力ないので伝わらないかもしれませんが、もうなんというかお話の雰囲気がほんとにどタイプ過ぎます泣応援してます!更新頑張ってください!! (2021年1月17日 19時) (レス) id: c7b9fc6037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiki | 作成日時:2021年1月14日 14時