mellow

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土日を挟むため綺麗にセットされた髪を誰かに見てほしい、そう思うのだって不自然なことではない。一緒に写真を撮りたいとお姉ちゃんにお願いをしたら、写真撮るなら可愛くしたいよ〜という可愛すぎるわがままを聞き入れて、メイクと髪をいつもよりしっかりめにやってあげたら信じられないくらい可愛いお姉ちゃんがいた。


セルカのプロ、ドンヒョク先生に伝授してもらったコツを思い出しながら何枚か撮る。あまりにも良すぎたので«お姉ちゃんめちゃくちゃ可愛い！！»と冷めやらぬ興奮と共にピックアップをした数枚をジェノに送った。わたしの髪型なんて最早どうでも良くて、とにかくお姉ちゃんを見て欲しかった。





ドンヒョクとロンジュンはふざけてわたしの部分をアップにしてスクショして拡散希望とかしそうだし、お姉ちゃんと関係が微妙なジェミンに送るのは気が引けて、最近お姉ちゃんともよく話しているし必ず褒めてくれそうだから消去法だったんだけど。







«ほんとだ、かわいいね»





カラフルに絵文字を使うわけでも、即レスでなくても、独自の視点から返信をくれなくても、少し間が空くジェノのシンプルな文が1番気に入っていた。わたし自身ごちゃついているのが得意ではないし、何よりも見やすい。お姉ちゃんにこれを見せると、口をきつく結んで目じりを垂らして嬉しそうにしていた。



……この表情、最近どこかで目にした記憶があるんだけれどどこだっけ。




「ジェノくんって優しいよね」
『ノジェムだけどね』
「…好きな人とかいるのかな？」
『さあ？ジェノとはそういう話しないんだよね〜〜』





口を閉じたり開いたりを繰り返しているお姉ちゃん、こういうときは言いたいことを話すべきか迷っているときで、8割方話したいに寄っているパターンだ。意を決したように勢いよく顔を上げると、あのね！と大きな声を出した。




「私ね、好きなの、ジェノくんのこと」
『………んん？？？』
「秘密だよ」







いつ？どこで？なんで？慌てているわたしとは逆に、朗らかに笑って部屋に戻っていったお姉ちゃん。好き？お姉ちゃんが？ジェノを？
それを聞いた瞬間、あの表情の意味を理解して頭の中で小さな泡が弾け飛んだ。
それはイマークがお姉ちゃんにしていたあの顔と全く同じだったのだ。


今日はどうやら眠れそうにない。

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