mellow

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わたしとお姉ちゃんは正真正銘の双子のはずなのに全く似ていない。性格も顔も声も仕草も、とにかく全部が正反対なのである。同じ高校に通っているけれど、制服の着こなし方や休み時間の過ごし方、放課後の時間の使い方まで正反対だ。それでも喧嘩は1度もしたことがなく、仲がいい双子として16年間うまくやってきたし、これからもそうしていく自信がある。







「Aちゃん行くよ〜」
『待ってここができてない…よし、オッケー！』
「スカートもう少し長くしたら？」
『えへへ、もう切っちゃったんだよねえ』





優しくておっとりしていてふわふわしている大好きなお姉ちゃん。唯一私たちが同じ部分といえば、お姉ちゃんは口元、私は目元に小さなホクロがあることだけだ。





『校門にマークいるかな〜はあ、次見つかったら反省文書かされる…遅刻してないのに…』
「マーク先輩でしょ。しょうがないよ風紀委員なんだし、ていうかAちゃんがもう少し落ち着いたらいいんだと思うよ」







正直私自身、周りよりも少し目立った外見をしている事は分かっている。ギャルってほどじゃないけれど、化粧は毎日きちんとしているし髪だって巻いてるし、スカートもちょっとだけ短い。小学生の頃に雑誌で見た高校生に憧れて、そうなりたいと思って高校入学までにしっかり研究をして念願の高校生になったのだ。10代なんてあっという間だし、やりたいことをしなければ損をしてしまう。






『勉強も超〜頑張って制服可愛いところ選んだし、なによりお姉ちゃんがいるしハッピーライフが始まる予定だったのに…イマークめ…』
「朝からマクヒョンの悪口？」
『びっ…くりした！おはよジェノ、今日イマークいるかな』
「さあ？おはようお姉さん」
「おはよジェノくん」






イマークというのは、顔とスタイルは超絶いいのにクソがつくくらい真面目な風紀委員の先輩。入学して3日目で服装なんちゃらで捕まってからは目を付けられてしまったらしく、イマークが校門当番の日は逃げられた試しがない。他の先輩は軽く注意で済むのに、イマークだけは書類を書かせて赤印(規則違反者)名簿に名前を書かせる。






偶然会ったジェノだって今は青い髪をしているし、その友達たちも中々派手だしどう見ても規則違反をしているのに必ずパスをしている。絶対なにか知っているはずなのに何も教えてくれないし、ケチなやつらめ。

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