mellow

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side_sister




「3人がああしてるの見てると今日も平和だなって思うわ」
「わかる〜てかAめっちゃ綺麗だよねマジで」
「今年の1年美人な子多いけどAがダントツだって先輩言ってたわ〜A顔くれないかな」
「顔貰ってもあんたの性格じゃ嫌われるよ、やめときな」







クラスの派手な女子グループの視線を追えば、中庭で水鉄砲を持ってロンジュンくんを追いかけているドンヒョクくん、そしてそれを動画に収めている私の片割れの姿。大切な片割れであり、それと同時に彼女に対しての嫉妬心も少しはあった。私たちは二卵生で、双子でも必ずしも似るという訳ではないとどこかの本に書いてあってホッとしたのを覚えている。そんな無駄な心配をしてしまうくらい私たちは似ていないのだ。


彼女たちに手招きされ、1度動画を撮るのをやめてこちらに駆け寄ってきたAちゃんは、少し被害にあったのか所々濡れている。窓から1番遠い席に座っている私のには気付いていないんだろうな。





『次ここでやるの？お姉ちゃんいる？』
「さあ？来たときはまだいなかったけど」
『カラコンしてくるの忘れて全然見えないんだよね』
「だからいつもより顔薄いの？」
『シバく』





私が苦手な子たちともすぐに仲良くなれてしまう、Aちゃんは昔からそうだった。明るくて元気で美人で人見知りをしなくていいなあって思いながら1番近くでずっと見てきた。最近染めたココアブラウン色の髪だって傷み知らずでつるんつるんだ。






「あ、マーク先輩じゃない？」
『うわ…匿ってほしいけど窓枠越すのはさすがに厳しい…一応スカートだし』






Aちゃんが天敵としているマーク先輩の姿を見つけたクラスメイトがご丁寧に指まで差して教えてあげている。教えてあげなくてもいいのに。家でもAちゃんは自由で、基本的に何でも許されてきた。1人くらい彼女に厳しく接するような人がいないと不公平だ。私のことを大切に、大好きだと言ってくれるAちゃんには悪いけれど、私はいつもそんなことを思っている。





『このまま帰ろっかな。次ギョンス先生なんだよね』
「それ帰った時の方が怖くない？」
『イマークに捕まるよりマシ』




話には参加していないけれど、きっとこの会話は彼の耳にも届いている。そしたらいつもみたく手を差し出して助けてあげるんだろう。





「おいでA」





Aちゃんは本当にずるい。私が欲しいもの、昔から全部もってる。

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