大嫌いなきみへ (ページ13)

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次の休みはテンが行きたいと言った絵画展に行くことになった。昔からテンは私が絵を描いていると、一緒にやりたいのかただ私の邪魔をしたかったのか真意は不明だけど、絵の具を手に取っては真っ白な画用紙にカラフルに色をつけては満足そうに私の元に持ってきた。まだそれを残してあるって言ったらどんな反応をするだろう。実家にあるはずだから親に頼んで郵送でもしてもらおうか。

『マーク』
「ん？」
『テンと会ったことあるっていつ頃の話？』
「や、多分……僕の気のせいなんだろうけど、なんて言うか会ったというかあんな感じの視線を感じたことがあって…そしたらあの夜言われたことで確信が持てたというか…でもな〜う〜ん、おかしいんだよ。だって視線感じたことがあるのに見たことないって……でもあいつは僕を知ってて」
『なんかごめん忘れて』

マークは1つの物事をすっきりさせないと永遠にそれについて悩みっぱなしになってしまう性格だから今聞くべきではなかった。来月のプレゼンの企画者に抜擢されたマークにこれ以上負担を与えてはいけない。きっと私が言った忘れてという言葉も忘れることなく、テンについて考え続けるんだろう。見たことないのに視線を感じたというのであれば辻褄が合う。お互いが認知をしていた訳ではなくて、テンがただ一方的にマークについて知っていたのだ。

『人って視線を感じても低すぎたり高すぎたりすると誰のものか分からないんだって』
「なんでそんな難しいこと……」
『本で……マークそれ行くの？』
「さっきジョンイニヒョンがくれた。知り合いにもらったけど期間内に行けそうにないからあげるって」

マークの手には3枚のチケットが握られていて、それは私とテンが行こうとしている絵画展のものだった。

「Aとルーカスと行ってきなって」
『ルーカスはあの空間耐えられないと思う』
「うん、僕も思ったから、だからAがよかったらなんだけど」
『私とテンと3人で行く？』
「は？」
『私とテン行く予定あって…』
「チケット代払いたくないだけでしょ」
『だって微妙に高いんだもん。私がいればテンも大人しくしてると思うしお願いマーク』

尊敬しているジョンイン先輩から私とルーカスと行きなって言われたらしいしきっと先輩は感想を求めてくる。そう考えると絶対断れないはずだ。マークは予想通りあいつがいいならいいよと眉間に皺を寄せてチケットを2枚渡してくれた。