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今現状分かっていることを説明してからリビングに向かうと、ぽつぽつメンバーが揃い始めていた。
お行儀が悪いけれど皆が朝飯を食べているテーブルの上を歩いても、ソファに置いてあるジャケットを落としても、ヘチャンの毛先を引っ張ろうとしても全員気付かない。もしかしたら見えるメンバーもいるかもしれないから部屋にいて、というドヨンの言葉を無視して来たから部屋を出た時はムスッとしてたのに、今はバレやしないかハラハラ見守っている。バレたところで説明をすればいいから問題ないのに。
『あ〜いい匂いする、コーヒーだ』
《飲む？》
『う〜ん、さっきも言ったけどおいしそうとは思っても食べたい飲みたいとは思わないからさ』
《いる？》
『…飲めるか分からないよ』
《部屋持ってく》
翻訳機に文字を打ち込めば喋らなくてもコミュニケーションは取れるし、周りから見ても不自然じゃないとドヨンがアイディアを出してくれた。濃くて平気か、ミルクと砂糖はいるか、何から何まで聞いてお世話をしてくれるドヨンはお母さんみたいだ。
そういえば、私とお母さんは友達のように何でも話したしよく遊びに行ったし、すごく仲がいい親子だったのに、なんで顔が思い出せないんだろう。
ドヨンは着替えを用意しておいてくれて、机の上にある本を何冊か手に取ると、日本語を勉強するのに使っているやつだから逆でも使えるはずだから読んで待っててと紙とペンまで貸してくれた。なんとなくよくしてくれるとは言っていたけれど、これはなんとなくの度を超えているから帰ってきたら注意しておこう。
『駄目だ』
あれだけ楽しみしていたお風呂だけど、シャワーの水は私の体を貫通していき、その時微かに温かさが伝わってくるだけで全く濡れない。お湯を溜めて浸かったけれどそこでも同じで本当に温かいだけだった。改めてここでは自分が異質な存在なんだと理解をして、早くどうにかしなければという思いが強まった。コーヒーと、食べなくなったら食べろとこれも部屋に残しておいてくれたサンドウィッチはきちんと味を感じるし食道を通る感覚もある。
「何が出来て何が出来ないか分かったこと書いておきな」
出来る、出来ない、の綱目に書き分けいるときに休みの自由研究みたいで少しわくわくした。居場所があって私の存在を認識してくれる人がいるだけで、こんなにも呑気な考えができるのか。行ったことないけれど、昨日は本当に地獄みたいだった。
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am - ウェブからですが…一気読みさせて頂きました…別のお話で主さんに出会って、他の作品も読んでみたいと思い…このお話凄く感動しました大好きです😭今まで見たものの中でいちばん😭これから何度も読み返そうと思います！ (8月13日 15時) (
レス) @page44 id: ac71b3b21f (このIDを非表示/違反報告)
ye8(プロフ) - stellaは何度も読むぐらいすきな作品なので主人公の登場にわきました！これからも応援しております (2022年10月5日 20時) (レス) id: df52ff380a (このIDを非表示/違反報告)
donut(プロフ) - 大好きです。 (2022年10月5日 14時) (レス) id: 26b0a97f67 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - テンちゃんのことも忘れてるのが切なすぎます(TT)徐々に謎が解き明かされて行くこと、2人の関係性の進展、気になります…！更新、kikiさんのペースで頑張ってください、楽しみにしています！ (2022年9月4日 18時) (レス) @page26 id: 1da797eec3 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - 更新嬉しいです(TT)kikiさんの文章大好きです！ (2022年8月27日 15時) (レス) id: e88d06d936 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2020年4月4日 17時
