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ピンクのワンピースを着た小さな女の子が泣いている。同い年か、少し上に見える男の子が困ったように身振り手振りで女の子に話し掛けているけれど、女の子の泣き声は大きくなる一方で男の子のほうも眉を垂らして唇をきゅっと噛み締めた。私はただ傍観をしているだけで、声は出ないし足も動かない。女の子はばっとこちらを向くと私を通り越して近寄ってきた女の人の元へ走って行った。
『いった！』
「朝。今日は来るの？」
『うん、暇だし』
どうやら夢だったらしい。ドヨンの右手には私のノートが筒のようになっているため、あれで私の頭をぶったことが伺える。初めて仕事場にお邪魔した日からドヨンも随分と緩くなり、今ではこうして行くか行かないか声を掛けてくれるようになった。
「今日はメンバー全員そろうから」
『わあ、初対面だ』
覚えるのは大変だったけれど、よくよく見ればなんで見分けが付かなかったのだろうというくらい当たり前だけれど顔が全然違う。ドヨンも日本のアイドルは皆同じに見えると言っていたし、国が変わるとそんなもんなんだろう。
「ドヨンア、僕の時計どこにあるか分かる？」
『銀のやつ？』
「銀のやつですか？」
「そう！」
『コンロの近くにあったよ〜』
「コンロで取ってませんでした？」
私はメンバー観察が趣味になって来て、筆記の勉強のつもりでどこで誰が何をした、それをノートに書くのが癖になっていた。ちょっとストーカーみたいだけれどたくさんの単語を書くから頭に入ってきやすい。メンバーがこうやって物を探している時にノートを見てドヨンにそれを伝えて発見してもらうということを繰り返していたら、物を無くしたらドヨンに聞くという暗黙のルールが出来上がっていた。正直めちゃくちゃ面倒なんだけどどうしてくれるの？とドヨンにちょっぴり怒られてしまった。
『ルーカスくんも来るの？』
「来るよ」
『やったあ、私ルーカスくんの顔すきなんだよね』
「えっ」
『えっ？』
「……えっ？」
『可愛いじゃんルーカスくん』
「テイリヒョンじゃなくて？」
『テイルさんも好きだけど、顔のタイプはルーカスくん』
推しとタイプと好きな人は似てるようで全部若干違うっていう感覚は男の人には分からないのかな。準備をしているドヨンに熱弁をしたけれど1回首を振られて終わってしまった。正直そろそろドヨン以外ともお話したいなあ、その願いがまさか叶うなんて、この時の私は思ってもいなかった。
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am - ウェブからですが…一気読みさせて頂きました…別のお話で主さんに出会って、他の作品も読んでみたいと思い…このお話凄く感動しました大好きです😭今まで見たものの中でいちばん😭これから何度も読み返そうと思います！ (8月13日 15時) (
レス) @page44 id: ac71b3b21f (このIDを非表示/違反報告)
ye8(プロフ) - stellaは何度も読むぐらいすきな作品なので主人公の登場にわきました！これからも応援しております (2022年10月5日 20時) (レス) id: df52ff380a (このIDを非表示/違反報告)
donut(プロフ) - 大好きです。 (2022年10月5日 14時) (レス) id: 26b0a97f67 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - テンちゃんのことも忘れてるのが切なすぎます(TT)徐々に謎が解き明かされて行くこと、2人の関係性の進展、気になります…！更新、kikiさんのペースで頑張ってください、楽しみにしています！ (2022年9月4日 18時) (レス) @page26 id: 1da797eec3 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - 更新嬉しいです(TT)kikiさんの文章大好きです！ (2022年8月27日 15時) (レス) id: e88d06d936 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2020年4月4日 17時
