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「あれ？こんばんは…ドンヒョクお客さんに手出したの？」
「ちげーよ、ロンジュンの…」
「は？シメるよ」
「話聞けよゴリラ、なんで今日そんなに荒れてんだよ」
「新年度で異動してきた女上司がわたしにだけありえないくらいの量の仕事押し付けるんだよね。だからほぼ毎日残業…やられっぱなしは腹立つから、お肌の調子悪そうなので土日しっかり休んでくださいね！って言ってきてあげた」
テーブルの上にあるポテトをひとつつまみ、口にしている姿は仕事終わりとは思えない。私なんて半日だけにも関わらず、頭はボサボサで化粧だってヨレてしまっているのに、今用意し終わりました！レベルできちんとしている。私がメニューを渡すと、お前の頼んどいたよとドンヒョクさんがそれを奪った。
「ライチオレンジ氷なし」
「さすがよく分かってるね見直した」
「惚れた？」
「ユッケ頼も〜」
「だからスルーはやめろって…よく見ると隈あんな」
目元を撫でた後に、あんま無理すんなよとそのまま耳を引っ張るドンヒョクさん。ロンジュンさんが無反応なのは、これが日常的に行われている行為だから？テンポが良すぎたさっきのやり取りだって受け流していたけれど、あのひと言はドンヒョクさんの願望が含まれているのではないか、こんなことをされて好きになったりしなかったのか、手を叩き落とした彼女を見るドンヒョクさんの表情はあまりにも優しくて、何だかいたたまれない気持ちになった。
『ごちそうさまです』
「学生に出せとは言えねえよ、無理矢理連れてきたし」
ロンジュンさんがついた嘘の通り、せっかくだしこのまま私は実家に帰ることにして、終電があるらしいドンヒョクさんとロンジュンさんに合わせ私たちは店を出た。お手洗いに行っている間にお会計は終わっていて、２人が払ってくれた〜と彼女は感動していた。これで性格が悪ければよかったのに、純粋で明るくてよく笑う彼女に嫌な箇所は見つからず、これなら好きになってしまうよなあと納得をしてしまうくらい。
「じゃあわたしこっちだから、Aちゃんもまたね」
「時間まだあるしゴリラでも危ないから送ってく」
「ひとこと余計なんだよいつも」
同じお店にいたのに、居酒屋独特の香りが全身に纏わりついている私とは違い、彼女からは今もふんわりと甘い香りがしている。鞄で腰の辺りを叩かれているドンヒョクさんは、最後まで私が知っている美容師のドンヒョクさんだった。
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natsu(プロフ) - 初めまして。kikiさんのお話を検索から見つけて、一気に読みました。描写が繊細で読んでいて惹き込まれます、、特にカラフルデイズが大好きです！ドンヒョクさんサイドのお話があるなら読みたいです...！夢を見ていたもとても楽しみに読んでいます〜！ (5月27日 10時) (
レス) id: 134a97b61f (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - めちゃめちゃ号泣した (2023年3月21日 23時) (レス) @page45 id: 8419699ac0 (このIDを非表示/違反報告)
Kiki(プロフ) - 藍子さん» ありがとうございます！結構ドンヒョクさんのキャラがアレだったので書きながら不安に思ってましたが、そうおっしゃって頂けて嬉しいです(TT)ありがとうございます(TT) (2021年8月12日 10時) (レス) id: 8611e65663 (このIDを非表示/違反報告)
Meg(プロフ) - Kikiさん» 楽しみにしていますね(^-^) (2021年8月9日 0時) (レス) id: 5ccba9fce9 (このIDを非表示/違反報告)
藍子(プロフ) - mellowに続いて読みました。見事にドンヒョクさんに転がされました(TT)胸がギュッとなるようなせつなさの描写がとても丁寧で心を掴まれたようでした。mellowもそうですがKikiさんの胸が苦しくなるせつない物語がたまらなく好きです。これからも応援しています！ (2021年8月8日 15時) (レス) id: 38ce9b1f3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2021年5月17日 1時
