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Side_JN
Aの部屋のオートロックの番号を教えてもらったのは1ヵ月が経ってから。そして鍵をもらって、Aに開けてもらわなくても入れるようになったんだけれど、Aに出迎えてもらいたくてまだ1回も使っていない。このキーケースをずっと欲しかったというのは嘘っぱちで、初めからいつか合鍵がもらえたら、とそれ用に買ったものだと言うのをAは付き合って半年が経つ今でも知らない。
「お邪魔します」
『はーい、おかえり』
「……ただいま」
忙しいとき、スケジュールが早く終わったら少しだとしても休むのが1番だと分かっているのに、忙しいときこそAに会いたくなる。それでちょっと揉めたことがあったけれど、それ以外は大きな問題もなくやっていけているのは俺たちの相性がいいということだろう。芸能人は多忙だからそれが原因ですれ違いも多く長くは続かないとも言われている中、半年は結続いている方に入るし、まだまだ俺はこの関係を続けていきたいと思っている。
『今回のカムバはどんな感じなの？』
「いい感じ」
『そういうことじゃなくてさあ』
俺の背中を強く叩いたA。大袈裟に痛がるとジトッとした目を向けてくる。付き合い初めの頃は『え、うそ、ごめん』って慌ててたのに。……それも可愛かったけれど、今は今で俺のことを分かってくれている気がして悪くないんだよな。
「実はさ、宿舎から出たい人は出てもいいって話が上がってきてて」
『うん』
「鍵いるでしょ？」
『…うん』
「あと、そろそろメンバーにも話したいなって思ってるんだけど、いいよね？」
『緊張するんだけど』
「話すだけだよ。会って欲しいとかじゃない」
ヘチャンがマネヒョンと揉めた日のことについては誰も口にしていない。わざわざ話題にする内容でもないし、頭に血がのぼったヘチャンが適当なことを言っただけかもしれない。ちょっと胸に引っ掛かってはいるけれど、その蓋を開けていい思いをする人は誰もいないんだから黙っていたほうがいい。
『キーケース同じのにしようかな』
「俺と？」
『それなら見られることもないし……』
「いいんじゃない？」
すごく舞い上がってるくせに冷静な振りをしてみると、照れ隠しでそっぽを向いて『嫌ならいいけど』とツンとするAのことは俺だけが知っていればいい。付き合う前に用意してしまったから何と言って渡せばいいか分からずにいたブレスレットを嵌めると『こういうことするんだ』と呟いたAはどこか儚げだった。
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Kiki(プロフ) - なつみさん» あんまり女優設定って見ないなと思って書いた作品なので、そう言って頂けて嬉しいです🥺ヒロインちゃんの変化にも注目して頂けたらと思います〜🥺 (3月16日 12時) (
レス) @page26 id: 8611e65663 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 他では見かけない設定なので、毎回楽しく読んでます！クールなヒロインが…！？って展開になってきてわくわくしてます🥺 (3月14日 12時) (レス) @page23 id: 7227221f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2023年12月7日 18時
