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ジェノと付き合って2ヵ月が経った。30分以上一緒にいられるなら家に来て、時間がないとか忙しかったり疲れていたり、時間はあるけれどなんとなく気乗りしない日は午前3時にあそこで会う、それが暗黙のルールになっていた。家に来るとジェノは毎回毎回“忘れ物”をしていく。今回は何を忘れて行ったのかなってそれを密かな楽しみにしていて。忘れ物があるとまた家に来てくれるんだと思えて嬉しかった。昨日家に来たジェノは、ずっと欲しかったやつなんだと教えてくれた買ったばかりの箱から出されていないキーケースを忘れていった。「まだ何もついてなくて寂しそうでしょ？」なんて言っていたから、鍵を1つつけてあげて《忘れてたよ》と報告の写真を送ったら、それはずるいでしょ、と電話が掛かってきた。
そんなことを考えていたからなのか、今一緒にお昼を食べているミウちゃんからの視線が痛い。
「…Aさん可愛くなりました？顔が変わったとかじゃなくて、なんかこう、柔らかくなったって言うか」
私たちは良好な関係を築けていて、スケジュールの合間に時間が合えばカフェに行ったり適当に待ち合わせてその辺をぶらついたりする仲になった。自分じゃ分からないから、ミウちゃんが言うならそうかもねと運ばれてきたサラダをフォークに刺す。ドラマ撮影をしているから仕方ないけれど、家でも外でも草しか食べられない生活って、健康的を通り越して逆に栄養失調になりそうなんだけど。私とは反対に、カムバが終わったため数日間食事制限はフリーなのだと運ばれてきたピザを頬張っていたミウちゃんは何かを思い出したのか、咀嚼を数回で終わらせ、小声で「そういえば」と口にした。
「ジェノ先輩も雰囲気が優しくなったってアイドルの子たち皆言ってます。前ほど取っ付きにくくなくなったとかで、話し掛ける子とか連絡先渡す子増えましたよ」
『へ〜』
「…思い切り刺されてトマトが痛いって泣いてますよ」
『知らないし。それでその、ジェノはなんて……』
「君には興味ないからごめんねって全部断ってるみたいです」
『…ふーん』
「それで彼女がいるんじゃないかって話題になってます。…気を付けてくださいね」
付き合ってることは話してはないけれどミウちゃんは気付いているようだ。『ありがとう』そんな肯定とも取れる返事を聞いてミウちゃんは頷く。よく出来たいい子だなあ。力任せに刺したトマトはフォークが貫通しており、ゼリー状の中身がじんわりと漏れていた。
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Kiki(プロフ) - なつみさん» あんまり女優設定って見ないなと思って書いた作品なので、そう言って頂けて嬉しいです🥺ヒロインちゃんの変化にも注目して頂けたらと思います〜🥺 (3月16日 12時) (
レス) @page26 id: 8611e65663 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 他では見かけない設定なので、毎回楽しく読んでます！クールなヒロインが…！？って展開になってきてわくわくしてます🥺 (3月14日 12時) (レス) @page23 id: 7227221f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2023年12月7日 18時
