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『……アイドルになったのは意外だった』
「俺？」
『ここにイジェノ以外誰がいるの？昔から監督とか現場スタッフに可愛がられてたからそのまま役者を続けるものだと思ってた』
「俺の場合、可愛がられたというよりも扱いやすいから邪険にされてなかったってだけだよ。何言ってもはい、分かりましたって聞いてたから、それに直結して“いい子”ってなってたんだと思う」
『私は生意気だったからね、子供ながらにどうしてここはこうなんだ、とか、これならこっちの方がいいんじゃないかって毎回突っかかってた』
「プロ意識があったってことでしょ」
『……子供だから細かいこと分からないだろって話してるの聞いたことがあって、それから馬鹿にされたくなくて』
今思うと、そんなことを言ってくる子役がいたら邪魔でしかない。だから、当時私が現場入りをしたら顔をしかめる大人たちが多かったのも納得できる。幸い、ある監督さんが私のその部分を気に入ってくれたおかげで干されることはなかったけれど、その人がいなければ私は子役としてすら持たなかっただろう。持たない方がよかった、なんて口が裂けても言えないけれど、その可能性に転がっていたら、帽子やマスクで顔を隠さずに外を歩けると考えたらそれもよかったかもしれない。
「俺のグループの歌聞いたことある？」
『興味ない』
久しぶりにきちんとしたものをお腹に入れたからか胃がむかむかしてきた。それと、少しの罪悪感。本当は手のひらサイズのチョコレート１粒で済ますつもりだったのに、あんなにしっかりしたものを口にしてしまった。もし、もしも、明日起きて体重が5kg増えていたらどうしよう。ありもしないと分かっているけれど、ありえないもしもを頭に浮かべて私は冷や汗を垂らした。
アイドルと女優がコンビニの外で立ち食いをしている光景は異様だと思う。昼だったら即バレしていたけれど、今は朝とも夜とも言いがたい時間帯で、人通りはおろか車通りもない。「喉乾いた」私の言い方がきつかったせいか、イジェノは気まずくなったのか、ぽそっと呟いた。
『帰る』
「また会おうね」
『そんなのないよ』
またなんてあってたまるか。今日はたまたまうろついている記者やサセンがいなかっただけで、リスクを負ってまで今後イジェノと会う必要性を感じないし、こんなことで積み上げてきたキャリアを壊されたくない。スマホの時計が午前3時に切り替わる。気付けばイジェノと話して1時間が経っていた。
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Kiki(プロフ) - なつみさん» あんまり女優設定って見ないなと思って書いた作品なので、そう言って頂けて嬉しいです🥺ヒロインちゃんの変化にも注目して頂けたらと思います〜🥺 (3月16日 12時) (
レス) @page26 id: 8611e65663 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 他では見かけない設定なので、毎回楽しく読んでます！クールなヒロインが…！？って展開になってきてわくわくしてます🥺 (3月14日 12時) (レス) @page23 id: 7227221f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2023年12月7日 18時
