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シャワーを終えた私の顔をまじまじと見たジェノは赤ちゃんみたいだと口にした。温かいお茶を飲んで、本当に何もせず2人で無言で過ごした。たまにジェノが頬や首筋にキスをしてきたけれど、ただしたかっただけなのか軽く音を立てるとすぐに離れていく。私もしたくなって距離を詰めたらジェノは私の唇に人差し指を押し当て「これ以上は俺が駄目になるから」とそれを拒んだ。
『寝る？』
「ん、もう2時？」
ジェノはメンバーが起きる前には帰ると歯を磨きながら言う。いつも使っている赤い歯ブラシの横に黄色の歯ブラシが並んでいるのを見るとなんだかむず痒い。
『ジェノ、シャワーは？』
「浴びてきた。帰るなんて言ったけど、実は最初から泊まるつもりだった。だから服もいつもよりリラックスできそうなやつでしょ？」
『ならどうして帰るって……』
「Aは顔に出やすいから、そう言ったら帰らないで欲しそうな顔が見れると思って」
『…………最低』
「でもそんな俺が好きなんでしょ？」
ドラマのようなどっちがどこで寝る論争は繰り広げられなくて、初めてなのにいつもしているかのように手を繋いで寝室に向かう。すぐに消すことになるから電気は付けずに真っ暗なままベッドまで歩くと「俺が転んだらどうするの」って背後でジェノが笑った。
『転ばなきゃいい話だよ』
「難しいこと言うね？俺はちゃんと顔を見ておやすみしたいんだけど？」
『だってなんか、今、ジェノの顔見たら……』
さっき首を横に振ったのに、今すぐ欲しくなってしまいそうなんだ。並んでいる歯ブラシを見ながら、この人にならすぐにでも私の全部をあげてもいいかもって、そんな考えが頭によぎってしまって。でも多分、今はジェノがそのつもりじゃないような気がして、だから顔を見たくない。床に転がっているクッションや、撮り終えたドラマの台本を時々足に当てながらなんとかベッドにたどり着いた。
『おやすみ』
「おやすみ」
パジャマでいつも着ている服より生地が薄い分、私を腕に閉じ込めているジェノの体つきがしっかり伝わってきて、私は後悔するのではないかと思ったことを後悔していた。ジェノは優しい、だから、もうその気がなくても私が頼んだら、ジェノはたぶん。
『ジェノ』
少しばかり上擦った声、服の裾を摘まんでいる自分の指は震えている。ジェノは私の顔に手を添えると今までで1番優しいキスをして「今度時間があるときにね」と、次の約束を取り付けた。
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Kiki(プロフ) - なつみさん» あんまり女優設定って見ないなと思って書いた作品なので、そう言って頂けて嬉しいです🥺ヒロインちゃんの変化にも注目して頂けたらと思います〜🥺 (3月16日 12時) (
レス) @page26 id: 8611e65663 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 他では見かけない設定なので、毎回楽しく読んでます！クールなヒロインが…！？って展開になってきてわくわくしてます🥺 (3月14日 12時) (レス) @page23 id: 7227221f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2023年12月7日 18時
