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こそばゆくて身を捩れば、期待通りの反応だったのかジェノはもう1度それをした。今度はちょっとチリッとした痛みがしたからびっくりしてのけぞると「髪の毛上げられなくなっちゃったかも」と上目遣いで私を見る。新曲を口ずさんでリビングのドアノブに手を掛けたジェノは余裕そうで慣れてるのかなって思ってしまう。
横抱きにしたままソファに深く腰掛けたジェノは「つかれた」と言って、上半身だけ私に凭れた。視界に入るのは、綺麗な襟足と真っ白なうなじ。同じことをしたらどうなるのか。そんな、ほんのちょっとの出来心だったんだけど。ジェノがしたみたいに唇を這わせたら、ジェノは立ち上がり私から手を離してその部分を真っ赤な顔で抑えていた。
『……痛い』
「ごめ、落としたことは謝るよ。でも、今ので俺がそういう気になったらどうしてた？」
『…………』
「…好きな子の、彼女の家でそんなことされたら……今も結構ギリギリだし……」
『そういうことって、そういう……？』
「そうだよ」
『あ、え、ごめん、私全然考えてなくて、ただ、やり返そうかなって思っただけで』
「……正直、俺は今すぐにでもそういうことして、Aの……そういう顔が見たいなとは思ってるけど」
言いにくそうに頭をかいたジェノは「Aはそうじゃないでしょ？」とほんのり染まった顔で私の鼻をつまんだ。目は伏せられ、長い睫毛が揺れている。私がここでいいよと答えれば次のステップには進むのは確実なんだけれど、まだ私にはその勇気はなくて。ジェノのことは好きだけれど、そんなに簡単に体を許してはいけないと思うし、ここでしたら流されたのかなって感じるかもしれないし、最悪の場合後悔だってするかもしれない。
『……ごめん』
「ううん、いいんだ。いいよって言われても、するつもりはなかった」
『……』
「まだちょっと早いよね」
ジェノの頬は大分赤みが引いたようで、いつもの雪みたいな真っ白な肌に戻ってきた。少し荒れている肌は彼の忙しさを証明しているようで、そんな中呼びつけて申し訳なくなってくる。こんな空気になるなら、家にきてもらうんじゃなくてやっぱりコンビニで会うべきだった。
「……朝一で帰るから泊まってってもいい？気まずいなら何も話さなくてもいいよ。ただ、今はAといたいんだ」
欲しい言葉をくれて、私の心を一瞬で満たしてくれるジェノのことがすごく好きだ。返事の代わりに好きと呟けば、俺もだよって目を細めた。
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Kiki(プロフ) - なつみさん» あんまり女優設定って見ないなと思って書いた作品なので、そう言って頂けて嬉しいです🥺ヒロインちゃんの変化にも注目して頂けたらと思います〜🥺 (3月16日 12時) (
レス) @page26 id: 8611e65663 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 他では見かけない設定なので、毎回楽しく読んでます！クールなヒロインが…！？って展開になってきてわくわくしてます🥺 (3月14日 12時) (レス) @page23 id: 7227221f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2023年12月7日 18時
