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《ご飯は食べたから何もしなくていいよ》そうジェノから届いたのは、私が家に到着したのと同時刻だった。……よく考えなくても私の仕事が終わる23時にジェノは合わせてくれていたんだから夕飯を取っているのが当たり前か。両手には閉店間際のスーパーで購入した食材がビニールに入っていて、次に使うときまでに悪くならなければいいけれどと冷蔵庫に閉まった。家に着いたとジェノに送れば、食べたいものはあるかと聞いていたから、何もいらないよと返す。下の階の人の迷惑にならないように軽く掃除をして、ジェノは帰ると言ったけれど、念のためお風呂にお湯を落とし、ミウちゃんおすすめの入浴剤を入れておいた。
飲み物は温かいのと冷たいのはどっちがいいんだろうって1人であたふたしているうちに意外と時間は経っていたらしく、ジェノから着いたことを知らせる電話が来た。すぐにオートロックを解除して玄関で待っていると廊下を歩く足音が聞こえたから顔だけ出したら、目だけが見えているジェノが手を振りながらゆっくりやって来て「見られるよ」と私を押し込んだ。
『お疲れさま』
「お疲れ」
『…………』
「何？」
『来てくれてありがとう』
「うん、お邪魔します」
『……上がらないの？』
「上がるよ、上がるけど」
玄関に入るなりジェノは私を抱き締めて全身の力を抜いた。疲れたと呟いて体重を掛けてくるジェノだけれど動く気配は一向にない。こんな体制は余計疲れるのではないかと腕の中から抜け出そうとしたら「どこ行くの」と耳元でむすっとした声を出す。
『リビング案内しようかと……』
「まだいい。今癒されてるから、もうちょっと」
私に腕を回したまま靴を脱ぐと、後でちゃんと揃えるからと私を横抱きにしてリビングはどこか尋ねてきた。…………もうキャパオーバーなんだけど。元々優しいというか甘ったるいというか、くすぐったくなるようなことをしてくる人なんだとは思っていたけれど、正真正銘の2人きりになると、こんなにも。
『……くっつくの好き？』
「好きじゃない、どちらかといえば苦手」
『えっと、じゃあ』
「Aだからだよ。ほら、リビングは？右の扉？真っ直ぐ？」
『ま……っすぐ。右はお風呂』
「そういえばお風呂まだでしょ？一緒に入る？」
『入らないよ！』
「……なんだ、残念」
付き合う前から私はずっと翻弄されてばかりだ。ジェノに仕返しをしたくて首に抱き付くと、無言で私のうなじに柔らかな唇が当てられた。
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Kiki(プロフ) - なつみさん» あんまり女優設定って見ないなと思って書いた作品なので、そう言って頂けて嬉しいです🥺ヒロインちゃんの変化にも注目して頂けたらと思います〜🥺 (3月16日 12時) (
レス) @page26 id: 8611e65663 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 他では見かけない設定なので、毎回楽しく読んでます！クールなヒロインが…！？って展開になってきてわくわくしてます🥺 (3月14日 12時) (レス) @page23 id: 7227221f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2023年12月7日 18時
