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『ヘチャンさんは彼女できたらメンバーに話します？』
「俺？相手がいいよって言えば話す」
『ふーん』
「何？俺の彼女になる？」
『や、ならないし』
ヘチャンの気楽さがたまに助かるときがあるんだ、ジェノがそう言った気持ちがなんとなくだけど分かる。前半戦が終了し若干力を抜いたせいで集中力が切れてしまい、緊張感を取り戻さなければと焦っていて逆に力が入りすぎて困っていたところだった。邪魔するなとは言ったけれど、ヘチャンさんのおかげでそれがリセットされたような気がする。
「なんないの？」
『ならないです』
「なんで？」
『なんでって？』
「俺、結構……」
続きを話そうとしないから、私をからかう言葉を探しているんだろうなってそのまま見つめていたらヘチャンさんが俯いて「結構本気かも」と呟いた。本気って何に？まさか私に？さすがにそれはないだろうと止めていた手を動かしたところで本番3分前待機の指示が出た。結局なにも出来なかった……早目で後半戦の流れを復習していると「俺も戻んなきゃ」ヘチャンさんは独りごち「Aちゃんも頑張ってね」無理矢理私と手を合わせると、白い歯を見せ控室へと戻っていった。
…よく分からないなあ、ジェノも何を考えているのか分からないと感じることが多いけれど、それとはまた別種類のものだ。ジェノがミステリアスなのだとしたら、ヘチャンさんは変わり者枠だ。
「Aさん、準備大丈夫ですか？」
『はい。お願いします』
曲紹介がし終わると暗転してミウちゃんのグループが下から競り上がってきた。不安そうな目をしたミウちゃんと目が合ったから私は自分の口角を指で上げて『笑顔』と口を動かすと、ミウちゃんは頷いて正面を向いた。やっぱりその人にはその人に合った場所があるんだ、モニターに映るミウちゃんはドラマ撮影の何倍も輝いていたから私の心配は杞憂だったようだ。
1組、2組…と終わり大トリであるDREAMの紹介をしていたら、紹介なんてどうでもいいと言うように観客は右に左にペンライトを振り、登場を急かしている。早く出せと言われてそうだけれど、今日の私の仕事はそんな彼らをしっかり紹介することだ。最早私の話なんて誰も聞いていないんだろうなと挫けそうになったとき、舞台裏の様子が見られる出演者のみ見えるモニターに真剣な横顔のジェノが写る。…あと一息頑張らなきゃ。『それでは登場していただきましょう』私が捌けると軽快な音楽が流れ出し、歓声がマックスになった。
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Kiki(プロフ) - なつみさん» あんまり女優設定って見ないなと思って書いた作品なので、そう言って頂けて嬉しいです🥺ヒロインちゃんの変化にも注目して頂けたらと思います〜🥺 (3月16日 12時) (
レス) @page26 id: 8611e65663 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 他では見かけない設定なので、毎回楽しく読んでます！クールなヒロインが…！？って展開になってきてわくわくしてます🥺 (3月14日 12時) (レス) @page23 id: 7227221f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2023年12月7日 18時
