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『私のどこを好きになったんだと思います？』
「…………」
『分かんないんだよね。愛想振り撒いたことなんてないし、ずーっとツンツンしてたのに』
「……」
『ねえ』
「……知るか！本人に聞け！それに車内だからって気抜きすぎだぞ」
けど、これは本当に不思議なのだ。ジェノはずっと優しかったから、私が惹かれたことも好きになったこともおかしくないけれど、向こうは私のどこがよかったんだろう。今日の夜に聞いてみようか？…自分で言うのもあれなんだけど、考えれば考えるほど顔しか思い浮かばないんだけど。そうじゃなきゃ私のいいところなんて1つもなくない？車の窓に微かに写っている自分を見つめていたら、歩道を歩いていた男の人がこちらを見ている気がした。オッパの焦った声に聞こえないフリをして、窓を開けて顔を出すと「わ、本物だ、やっぱりAがいた」とその人が口にした。やっぱり、ということは向こうから見えていたんだ。
『お買い物ですか？』
「はい。……あの、俺、Aさんの、ファンで」
『嬉しい、ありがとうございます。何か書くもの……』
「こ、ここに！」
『直接書いちゃっていいの？』
白いピカピカのスマホにマジックを走らせるのは忍びなかったけれど、私も彼もそれ以外は何もなかったから、信号が変わりそうなのを見て慌ててそこにサインを書いた。
『これからもよろしくお願いします、はい、握手』
「……手、ちっちゃい」
『ふふ、そうかな。いつかまたお会いましょうね』
最近はドラマばっかりだったからこうしてファンの方に会えたのは嬉しかったな、と車が進み始めたから手を振った。今のご時世SNSをやっている人がほとんどだし、このことを書いてもらえたら私の評判があがる。それでこれを見た人が私を気になってくれたら新たなファンを獲得するチャンスにも繋がるのだ。
「なあ」
『はい？』
「さっきのやつどうしてお前が乗ってるって分かってたんだ？」
『……この車が私の送迎車だから？ナンバーが割れてることは私たちも分かってるでしょ。スモークフィルムもあるけど安いやつだし、中もぼんやり見えてたんじゃ？』
ナンバーを確認して付いてくるファンもいるけど、さすがに車を移動のためだけに何台も用意できないし、かといって自家用車だともっと危ない。危害を加えてくる人は私もオッパも覚えているし、あの人は1つもそんな素振りを見せなかったから純粋なファンなのだと、このとき私はそう思い疑わなかった。
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Kiki(プロフ) - なつみさん» あんまり女優設定って見ないなと思って書いた作品なので、そう言って頂けて嬉しいです🥺ヒロインちゃんの変化にも注目して頂けたらと思います〜🥺 (3月16日 12時) (
レス) @page26 id: 8611e65663 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 他では見かけない設定なので、毎回楽しく読んでます！クールなヒロインが…！？って展開になってきてわくわくしてます🥺 (3月14日 12時) (レス) @page23 id: 7227221f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2023年12月7日 18時
