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誰かの話し声が聞こえる。知っている声ではあるんだけれどありえない組み合わせで、夢にしてはリアルだなあなんて思いながら深く息を吸ったら鼻の奥にツンとした独特の香りが届いた。夢にしてはリアルだなあなんて思っていたら、テレビやコンテンツで聞くものとは違う私だけに向けられた声が聞こえ、それがあまりにも切羽詰まっていたからどうしたのかと聞くと「起きてるなら目開けてよ」とさっきよりも近い場所で、ジェノの声が聞こえた。
『…あれ？』
私はどこかで寝ていて、視界には天井とジェノが映り込んでいて。状況を読み込もうと目をあちこちに動かすと、腕を組んでいるマネージャーがカーテンを背後に立っており、あまりよくないことが起こっていることは瞬時に理解できた。『ジェノ』「ん？」『えっと』マネージャーがいるのにも関わらず、私の頬を親指で撫でているジェノは、なあに、と私に微笑みかける。マネージャーは「あとで詳しく聞くから」と電話をしながら怒り気味で出て行った。
「過労とストレスで倒れたんだって」
『なんでジェノが…』
「ジェヒョニヒョンが連絡くれた」
『…病院？』
「ううん、テレビ局の医務室。病院に連れてくよりすぐに休ませてあげた方がいいってヒョンが言ってくれたみたい。そのおかげで俺も来れたし、ヒョンには感謝しなきゃ」
『ジェノ、仕事は？』
「今は空いてたの。もう少ししたら戻るよ」
ジェノは私を起こすとしばらく見つめてから唇に視線を移動させ、自分のそれを私のに重ね「俺と付き合って」と額を合わせてきた。
『付き合うって』
「俺と恋人になるってこと」
『………』
「付き合いながらお互いを知るってのも悪くないことだと思うよ。俺はきっとAをいつか好きになると思うし、Aもそうでしょ？なら早くても遅くても、結果が同じならいいじゃん」
恋人っていうのは時間をかけてなるもので、深夜のコンビニで数十分、それを数回しただけなのに、なっていいものなのだろうか。付き合って違うってなったら、ジェノの中でイメージしていた私と、実際の私に相違が出てしまったら……
「俺はどんなAも好きになれる自信があるんだけど、Aは？」
当たり前にしていた呼吸なのにこのときばかりは上手くできなくて、言われたら言い返すのが私の唯一の特技なのにそれすらも難しい。ジェノはそんな私を見透かしたのか「俺の彼女になってくれるなら瞬きして」と涙で景色が滲んでいる私に向かって囁いた。
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Kiki(プロフ) - なつみさん» あんまり女優設定って見ないなと思って書いた作品なので、そう言って頂けて嬉しいです🥺ヒロインちゃんの変化にも注目して頂けたらと思います〜🥺 (3月16日 12時) (
レス) @page26 id: 8611e65663 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 他では見かけない設定なので、毎回楽しく読んでます！クールなヒロインが…！？って展開になってきてわくわくしてます🥺 (3月14日 12時) (レス) @page23 id: 7227221f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2023年12月7日 18時
