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昨日と同じスタジオ、同じメンバー、雰囲気は最悪だったけれど私の気分は落ちておらず、むしろ昨日よりうまくできそうな気がしている。アイドルの子がぽつんと角にいたから近付き声を掛けると、表紙がぐしゃぐしゃになった台本を手にしていた。『読み合わせなら付き合いますよ』ただ私の好感度が上がればいいと思ってしたことなのに、何度も何度も頭を下げてお礼を言ってくるもんだから、逆に彼女に謝りたくなってしまった。
「Aさん！」
『お疲れさま』
「本当にありがとうございました。Aさんがいてくれなかったら私…」
『大袈裟。それに今日はミウちゃんが頑張る姿勢を見せてたから受け入れてもらえたんだと思うよ』
グループの知名度をあげるために出ろと事務所の社長に命令されたらしいアイドルのミウちゃんは、ドラマではなく他グループのMVの撮影だと聞かされていたらしい。顔合わせでは全員のスケジュール調整が難しかったからほぼ自己紹介で終わってしまったからドラマだと気付けず、台本は当日の朝になってマネージャーから渡された、と周りの様子を伺いながら休憩中に教えてくれた。年齢も私よりうんと若いと思っていたけれど1つ下なだけで「これでも新人なんです」と本人も苦笑していた。アイドルって大変なんだなあ、女優は演技力さえあれば何歳でも売れる可能性はあるけれど、アイドルはそうじゃないみたいだ。
「……アイドルにとって年齢は大きな壁になるので。ベテランだったり大手事務所であれば私の年齢でも問題はないでしょうけど、うちのグループは見つけてもらえたらラッキー程度なので余計に今売れなければならなくて」
一通りの撮影を終えて、私の次のスケジュールまでの時間潰しに付き合ってもらっていたら、ミウちゃんが「お疲れ様です」と深くお辞儀をした。相手はほんのり遠くにいて、コンタクトをしていない今の私は誰か全く確認ができない。スタジオ内ってこういうことがあるから嫌っちゃ嫌なんだよな……小声でミウちゃんに誰なのか訪ねると「NCTのジェノ先輩です」と同じくらいのボリュームで返してくれた。……なんだ、イジェノか、じゃあいいや。それより向こうも今日もここで撮影だったんだ。そう思ってオレンジジュースにストローを差したら「俺のメンバーを無視してんじゃねー」と後ろから聞こえ、髪を一房引っ張られた。『……うわ』そこにはあの日以来会っていなかったイヘチャンが三白眼を光らせ、きっと私を睨んでいた。
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Kiki(プロフ) - なつみさん» あんまり女優設定って見ないなと思って書いた作品なので、そう言って頂けて嬉しいです🥺ヒロインちゃんの変化にも注目して頂けたらと思います〜🥺 (3月16日 12時) (
レス) @page26 id: 8611e65663 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 他では見かけない設定なので、毎回楽しく読んでます！クールなヒロインが…！？って展開になってきてわくわくしてます🥺 (3月14日 12時) (レス) @page23 id: 7227221f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2023年12月7日 18時
