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今だけ、もっと so.shr ページ4

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聡と付き合い始めてもうすぐ一ヶ月が経つ。

付き合い始めたからといって特に何かが変わる訳では無く、至っていつも通り。
仕事場で会ってワイワイやって、たまに一緒にライブに行ったり、遊んだり。

それだけ。


......だって付き合うって言ったって、どうすればいいか分かんない。
俺も、きっと聡も、今まで誰かと付き合った事なんて無いし、ましてやその先の事なんて想像すらつかない。

この歳なら慣れているはずのキスですら、付き合うまで殆ど経験が無かった上に、付き合うようになってからのキスも軽く触れるようなものだけ。



不安だった。



気持ちを確かめたいと思っても、聡を疑ってるように聞こえてしまうんじゃないかって思ってしまって訊くことも出来ない俺はただの小心者。

何かきっかけがあれば変わるかな...って、仕事終わりに聡を俺の家に誘っても
聡は「いいの⁈うん!行く!」と屈託のない笑顔で能天気な返事。


家に着いて、夕飯は聡が「うーん、多分何とかなる。かなぁ」とか言いながら冷蔵庫にあるものでちゃちゃっと炒飯を作ってくれたので、美味しく頂いて

そのままのんびりした空気でDVD鑑賞が始まってしまった。


『.........ふふっ』

『.........』


いや別にそれが嫌だっていう訳じゃ無くて、聡と一緒にいると凄く落ち着くし、むしろ俺はその2人きりの時の空気感が好きなんだけど


だけど......恋人になったら何か変わると思ってた。
なんとなく甘い空気になったり、それこそ

...キス、したり。


俺は聡の隣に座ってるだけで頰が緩んで気持ちが上がるのに、聡は一切そんな素振りを見せない。

真剣な顔でDVDを観る聡の横顔を眺めていたら、視線を感じてこっちを向いた聡が「んっ?」て首を傾けて、俺に柔らかく笑いかける。


聡はいつだってバカで、それでいて優しいけど、
俺のことは全然意識してないみたいで

聡が俺に囁く好きってなんなんだろう。




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作者名:バーニャカウダ | 作成日時:2018年1月2日 23時

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