バーニャカウダの短編集_sz_rose_ (ページ3)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:29,033 hit

Sweet Whisper fm.kn ページ3

.

ピンポーン

深夜2時。
鳴るはずのない、俺の家のインターホンが鳴り響く。

ピンポンピンポンピンポン

鳴り止まないどころか激しく響くインターホンに
“頼むからやめてくれ”と俺は小さく悪態をつきながら玄関のドアを開けた。

『お前、鍵持ってんだろ...ってゆーか離せ』

『やだ......ははっ、ふうまだー』

突然押しかけてきた迷惑な客人は、部屋に入ってきた勢いのまま俺に抱きついた。

とにかくすぐべろべろになる彼は、飲み会の度にこうして俺の部屋に転がりこむ。

だらしない酔っ払いからほんのり匂うタバコとアルコール、そして女物の香水。

『自分で立てって、中島』

『やだやだやだ』

お酒に飲まれてしまっている中島は抱きついたまま一向に自立しようとしない。

ふらふらの中島をなんとか支えて歩き出した瞬間
急に視界が回って、
耳元でバンッと壁に手をつく音がする。

“また始まった...”
酔うと始まる突拍子もない中島の言動に
俺はふっと呆れとも苦笑いとも取れる笑いを零した。

そんな俺を気にも留めず漫画のような壁ドンをしたまま中島は熱っぽい視線を俺に注ぐ。

『ふうま、』

形のいい唇がゆっくりと紡いだその名前は
酷く甘さを含んでいて、ぐわんっと脳が揺さぶられる。

いやいや、明日朝から仕事だろ。

自然に近付くその唇に俺はそっと人差し指をおいた。

『ダメ』

“なんで”と欲に濡れた目で訴える俺の恋人は
自分の唇におかれたままの俺の指をぺろっと舐める。

こいつ、人の気も知らずに...。

反射で退けたその指を目で追いかけて俺に視線を戻した中島は、お許しをもらった子犬の様に喜んで、両腕を俺の首に回した。

『早く、』

流れるように耳元に唇を寄せた中島は
俺の耳を優しく噛んでそれから

『......っ...』

甘く囁いた。

『早く抱いて...?』

.

ーーーーーーーーーーー

ご覧下さりありがとうございます。

来ました大本命ふまけん。

...とは言いましても実は作者ふまけんを書くのがあまり得意ではなくて(ふまけん自体は大好きなのですが)随分手探りで書きました。

いかがだったでしょうか...??

楽しんで頂けたら幸いです(^^)

“健人さん×壁ドン”大好きなので

またどこかで書けたらいいな...

最後に1番右の星を押して頂けると嬉しいです！

ご覧下さりありがとうございました(^^)