Prologue ページ1
ナイトレイブンカレッジ、鏡の間。入学式を終えた新一年生たちが、鏡による寮分けのため沢山集まっていた。
皆同じ式典服を被り、自分はどこの寮だろうかと思いを馳せるように目を輝かせていた。そんな生徒たちを眺め、ため息を溢す者が一人。
『……おぉ、右を見ても左を見ても。芋みたいな顔がごろっごろ。ったく、名門ってったってもっと身嗜みには気をつけなよ』
「A！お前もう口閉じとけって」
『だぁって。素材は良いのに宝の持ち腐れじゃんか。あぁやだやだ、俺そう言うの一番嫌い』
静かな鏡の間に、そんな声が響く。うぇ、と舌を出したのはAと呼ばれた少年。肩まで伸ばした薄茶色の髪に、一房赤い髪。同じく真っ赤な目を細めて、少年ーーーAはもう一度ため息をついた。
そんな少年の口を勢いよく塞ぐのは、隣に立っていた獣人の少年。真っ白な髪を後ろで軽く括り、こちらも一房だけ黒い髪。目は真っ白で、小さく覗く八重歯が特徴的だ。
そんなに大きな声を出していたわけでは無いが、静かだったその声は鏡の間中に響き渡った。生徒たちの目が、一斉にそちらに向けられる。
『……ん、アイツ結構カッコいいかも。見てよフレア』
「人を指差さない！なんでお前はそう問題になりそうなことばかり！」
『話しかけてみよーと』
「おいこら、待てっ」
Aが目に止めたのは、少し離れた場所に座る別の少年。黒色の髪にアッシュグレーの瞳。先ほどの発言を気に留める様子もなく、ただ鏡だけを見つめていた。
そんな少年に近付いて行き、とんとんと肩を叩く。振り返った少年の顔に、Aはほぅと息をついた。
それからにっこりと笑って口を開く。白髪の少年ーーーフレアがハラハラしたように見守る中、笑顔でAはこう言った。
『綺麗な顔してんね、RSAにでも行けば良かったのに』
「……は？」
余談ではあるが。AはあまりRSAのことを悪く思っていない。寧ろ綺麗な人たちが沢山いるので、向こうに行っても良かったかなぁ、なんて思っている。
閑話休題。
そんなことをいきなり言われた黒髪の少年は、一瞬だけ目を見開いたが直ぐに険しい顔になる。フレアは「あぁ」と顔を押さえた。
黒髪の少年はじー、と上から下までAを見つめ鼻で笑う。目を細め口角をあげ、黒髪の少年は言った。
「……ふっ。野良犬でももう少しマシな挨拶をするぞ。まずはワンから始めたらどうだ？」
この日、鏡の間は半壊した。
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あいらいん - 学生のクルーウェル先生に「ばーか」って言われたい (2023年4月4日 10時) (
レス) @page14 id: c168593882 (このIDを非表示/違反報告)
アロン(プロフ) - すごく面白いです！クルーウェル先生と夢主が仲良くなったのは、一緒にめっちゃ強い魔物を倒したから…って、1の方のラジオで見たから、それめっちゃ楽しみです！更新待ってます！頑張ってください！ (2022年2月15日 13時) (レス) @page14 id: 568bb71bb9 (このIDを非表示/違反報告)
HUMIZUKI・文月(プロフ) - すごく面白かったです！リクエストですが、生徒が授業中ふざけて危険な魔法薬をこぼしてしまい夢主がすごく怒る話をお願いします。 (2021年12月27日 8時) (レス) id: 4b3187b3d3 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ鍋 - 白猫さんさん» 仲良くなってからと仲良くなる前どっちが良いですかね？コメントありがとうございます！ (2021年11月6日 20時) (レス) id: 067328da22 (このIDを非表示/違反報告)
白猫さん(プロフ) - レイスくんが間違えて、クルーウェル先生の私物を燃やしてしまい喧嘩をして欲しいです。 更新楽しみにしています！！ (2021年10月17日 10時) (レス) id: d1d66ac9b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チーズ鍋 | 作成日時：2021年9月23日 22時
