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するはずのないその声に
思わず体がびくっ、と反応する。
うちの高校は屋上は立入禁止になっていて
生徒はみんな鍵がかかっていて入れないと思い込んでいる。
なにより学校の雰囲気にはまるでそぐわない、
不気味な扉のおかげで近寄る人はほとんどいない。
「 私、ですか?」
恐る恐る振り返ってみると
生徒ではないが、見覚えのある人が立っていた。
『 お前しかいないだろ。』
教師とは思えないこの無愛想さ、口の悪さ、
そして甘いベビーフェイス。
そうだ、
「 副担 、」
新学期最初のHR以来見ていないが
クラスの女子が騒いでいたおかげで顔だけは覚えていた 。
『 あーお前うちのクラスなんだ 。』
そうめんどくさそうにそう呟くと
徐にポケットから出した煙草に火をつける。
「 あの 、ここ禁煙ですけど 、」
『 うるせえガキ。』
ふわっと顔にかけられたその煙。
微かに香る香水も相まって頭がクラクラする。
『 で 、なんで死にたいわけ?』
多分この人にはデリカシー、というものが欠けているのだろう。
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作者名:百合 | 作成日時:2019年5月17日 23時