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古賀先輩。
3年の中ではかなりのモテ男だと聞く。
A先輩と古賀先輩は、委員長と副委員長同士だった。2人は委員会の時だけでなく、普段から仲が良いみたいで、仲睦まじく話している姿を、痛いほどによく見かける。憎らしいほどに、2人はよく似合っていた。
A先輩の、少しだけ赤らんだ顔が僕の瞳に映る。
ああ、たぶん、A先輩は。
そんな嫉妬の思いが高ぶってしまった結果、ある日僕は気になってふと口に出してしまった。
「A先輩は、古賀先輩のこと好きなんですか」と。
その言葉にA先輩は、何の表情も変えることなく、
「うん、好きだね」
と答えた。
照れもしないし、隠しもしないし、躊躇いもしない。僕はそんなA先輩の態度にひどく面食らってしまった。
どうしてそんなに照れたりしないの。
僕に聞かれて、取り乱したりしないのはどうしてなんですか。
その質問は、口に出せなかった。
しかし、そんな彼女の言葉が、さらに僕の心を傷つけたのには変わりなかった。
そんな、全てに余裕を持つ彼女の表情が壊れた日があったことを、僕は知っている。
いつものように掃除の放送で放送室に向かった日の事だった。
中に入ると、ひとり蹲る女子がいた。顔を見なくてもわかる、それは紛れもなくA先輩であった。
どうしたんだろう、どこか痛いのかな、と思い声をかけようとすると、開けっ放しにしていたドアの向こうから数人の男子の声が聞こえた。
「なあ、ヤスって彼女できたの？」
「みたいだよ。4組の塩見さんだって」
「あー、あの人か。確かに美人だもんな」
古賀先輩の名前は康成という。そこからとって、ヤス、というあだ名で呼ばれていたことを思い出す。
……古賀先輩に、彼女が出来た。A先輩が好意を寄せている、古賀先輩に。
普段ならそれは喜ばしいことなのかもしれない。しかし、こんなに負のオーラを出して項垂れる彼女を前にしてしまい、僕は何も言えなくなってしまった。
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春湊(プロフ) - まぽさん» お久しぶりです！早速読んでくださりありがとうございます🙇♀️🙇♀️ (3月3日 15時) (
レス) id: 1a4158699c (このIDを非表示/違反報告)
まぽ(プロフ) - お久しぶりです。夜分にコメント失礼します。出井さんの新作読めて嬉しいです☺️素敵なお話ありがとうございます！ (3月3日 1時) (レス) @page6 id: 3194fe305d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春湊 | 作成日時：2024年2月9日 0時
