ブルースプリング・プレリュード ページ7
東京22期.
⚠︎学パロ
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「おーい、中野」
未だ寒さが少し残る、ある日の廊下。俺は古賀先輩からいきなり呼び止められた。
彼の胸元には鮮やかな花が咲いていて、あるはずの第二ボタンはとうに無くなっている。右手に黒い筒を持ちながら、古賀先輩は窓から射してくる光に照らされていた。
ほんの数十分前まで体育館で、生徒代表で卒業証書を受け取っていたというのに。僕のことを気にかけてくれたのか、それとも。
「Aに会ってきたか？」
その言葉にいまだに止まってしまう自分が憎らしい。
少しの苛立ちを感じながらも、古賀先輩に言葉を返す。
「……会ってません。会う気すらありません」
「なんでだよ、会って想い伝えてくればいいだろ」
その言葉に僕は沈黙する。
始まる前から負けている勝負なんて、申し込まなければ良かった。
僕は窓の外に広がる中庭に目を向けながら、ひとりの先輩に想いを馳せていた。
思い返せば、理由も何も無かった。
ただ単に、委員会が一緒になって、たまたま当番の日が一緒だった。ただそれだけ。
放送委員会の仕事は簡単なもので、昼と掃除の時間に音楽を流す。それだけの単純な仕事。それだけであるが、放送室には必ず2人でいなければならない、しっかりと放送室の掃除もしないといけない、また放送についての厳しめのルールなど、わりと固められているものもあった。
「中野君、だよね。よろしくね、副委員長のAAです」
仕事始めの時、そう微笑みかけて言ってくれたことを思い出す。最初は仕事の要領も良くて流石副委員長だなと尊敬していた感情が、お昼を一緒に食べたり、雑談なんかをしているうちに、いつの間にか恋情に変わっていたのはいつからだったか。
しかし、そんな僕の恋心をへし折っていくような存在が、彼女の近くにはいた。
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春湊(プロフ) - まぽさん» お久しぶりです！早速読んでくださりありがとうございます🙇♀️🙇♀️ (3月3日 15時) (
レス) id: 1a4158699c (このIDを非表示/違反報告)
まぽ(プロフ) - お久しぶりです。夜分にコメント失礼します。出井さんの新作読めて嬉しいです☺️素敵なお話ありがとうございます！ (3月3日 1時) (レス) @page6 id: 3194fe305d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春湊 | 作成日時：2024年2月9日 0時
