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「……古賀、良い仕事してくれたみたいで良かったわー。中野君、来てくれてありがとね」
「はい。……先輩、ご卒業おめでとうございます」
「うん、ありがとう」
A先輩は窓を見ながら、扉にもたれかかった。僕は、いつの間にか放送室の前にいたことを、先輩の姿を見て初めて気づいた。
彼女と同じように壁にもたれかかって窓の外を見る。桜はまだ咲きそうになかった。
「ここで、色んなこと話したね」
「はい、楽しかったです」
「私もだよ」
「……その、A先輩」
「待って、私から言わせてほしい。古賀を使って君を呼び出したのは私の方だから」
A先輩が僕の口を止める。彼女の静止が無ければ僕はまたべらべらと頭の内を喋ってしまうところだった。
「私、古賀にずっと告白してたのね。でもずーっと付き合えないの一点張り。それはたぶん、委員長と副委員長の関係を壊したくないって理由か、まあもしくは普通に恋愛対象外だったかって感じだけど」
「はい」
「だから私、人に古賀が好きだって言うのにあんま抵抗無くなっちゃったのさ。だから君に聞かれた時だって照れすらしなかったの」
「……そんなに好きだったんですね」
「うん、自分でも引くぐらい好きだったかも」
今じゃ昔の話だけどね、と先輩は困り笑いを見せる。
「んで……でも正直、告白してればいつかは好きになってくれるかと思ってたからさ。だから彼女できたっていうことを聞いた時は、正直、心にきたよね」
……あの時だ。
「誰もいなくてかつ落ち着ける場所がここだったから、ここで泣いてたんだけど。掃除の時間だから中野君が来るんだってこと、すっかり忘れてたんだよね」
「……はい」
「しまった、中野君に見られちゃったって思ったけど……やっぱりそれより、ショックの方が大きすぎたんだ。だからあんな風に本音をポロって吐き出しちゃったの」
「はい」
「引かれるかなって思ったけど、中野君、引かないどころか、私に「僕にすればいい」って言ったよね」
「……改めて口に出されると恥ずかしいんですけど」
「ふふ、ごめんごめん。でも……
私はあの時、中野君の言葉に縋ってしまったんだよ」
「……それは、どういう、」
混乱しながらも、彼女に問う。頭の中はぐるぐるしているものの、心の中で期待してしまっているのは事実であった。
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春湊(プロフ) - まぽさん» お久しぶりです！早速読んでくださりありがとうございます🙇♀️🙇♀️ (3月3日 15時) (
レス) id: 1a4158699c (このIDを非表示/違反報告)
まぽ(プロフ) - お久しぶりです。夜分にコメント失礼します。出井さんの新作読めて嬉しいです☺️素敵なお話ありがとうございます！ (3月3日 1時) (レス) @page6 id: 3194fe305d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春湊 | 作成日時：2024年2月9日 0時
